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バルサのスポンサーになぜ楽天が?
三木谷浩史会長に独占直撃。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byDaisuke Nakashima
posted2017/05/08 11:00
10月19日、楽天とバルサのスポンサー契約が正式に内定した。ちなみにピケは三木谷氏のことを「ミッキー」と呼んでいるという。
親友のピケは「More than a footballer」。
――会見では「More than a club」というバルサの哲学に共感したと語り、喝采を浴びました。
「楽天が他のインターネット企業と少し違うのは、地域密着という姿勢です。自分たちで物を販売するのではなく、できるだけ地方の中小企業の事業支援を、ということを哲学にやってきた。その意味で私は時々、『More than a club』というバルサのスローガンをもじって、『More than a company』と言っている。企業にも社会的ミッションというものは必要です。単純にお金儲けするだけではダメで、『More than a club』というバルサの哲学は、まさにその通りだなと。お金も重要ですが、そこの一線はどうしても崩せません」
――ピケと三木谷さんの個人的な交友関係から今回のスポンサーの話はスタートした。
「ピケは僕にとっての親友であり、単純にスポーツ選手というよりも、『More than a footballer』という感じですね。人間として、また頭の良さも含めて」
――ピケはゲーム会社を立ち上げるなど、ビジネスにも積極的に関わっています。
「スマートですよね。特殊な選手だと思います。もはや『選手』とは言っちゃいけないのかなと」
――将来はバルサの会長になりたいとも。
「はっきり言ったと聞きました(笑)。見ていても彼にはビジネスセンスや才能があります。インタビューをセッティングするので、一緒に本人に聞いてみましょう(笑)」
楽天はインターネット面で選手をサポートできる。
――ピケのように、現在は現役中にビジネスを始める選手も増えており、日本でも本田圭佑や長友佑都は積極的に動いています。
「サッカーに限らず、エンターテインメントはインターネットの出現によって変わりつつあります。テレビなどのメディアに露出する、あるいは音楽であればCDを売るということだけではダメで、多種多様な形で自分の価値をビジネスにしていくことが必要になってくる。そういうことが手軽にできるようになってきました。ピケはゲーム会社を運営し、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを使いながらプロモーションをしていますが、これは今までのメディアのあり方では不可能でした。インターネット革命によって、選手にもそれができるようになってきた。今回の契約で、楽天はその意味でも選手をサポートできます。大きな可能性があると思っています」