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バルサのスポンサーになぜ楽天が?
三木谷浩史会長に独占直撃。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byDaisuke Nakashima
posted2017/05/08 11:00
10月19日、楽天とバルサのスポンサー契約が正式に内定した。ちなみにピケは三木谷氏のことを「ミッキー」と呼んでいるという。
クラブのプロモーションに協力しつつ世界に展開する。
――今後バルサと組んでどのようなビジネス展開を考えていますか?
「楽天にもいろんなブランドがあります。メッセージアプリのViber(バイバー)、動画配信サービスのWuakiやViki、さらに電子書籍のkoboなど、現在はブランドがバラバラなので、これを契機に統合していこうと。そのためにも良いステップなのかなと思います。我々が世界に展開しているこれら全てを使いながら、クラブのプロモーションに協力していこうと考えています」
――メッセージアプリでは、日本ではLINEが、欧州ではWhatsAppが非常に強い。バイバーを強化するという意味合いもある?
「それもあります。おっしゃる通り、日本はLINEが、北米や欧州ではWhatsAppが強い。しかしバイバーはロシア、中東、東ヨーロッパで圧倒的な支持を受けています。一番目に使われるメッセージアプリではなくても、通話する時はバイバーを使う、あるいは国際通話ではバイバーを、というように、状況や相手によって選ばれるようになればいいと思っています。バイバーの特徴は、世界中の人が使っているということにある。その意味で、これからバルサと組んで行うグローバル・イノベーションにおいても、活かせると思います」
ネット企業に「スポーツ・アンド・カルチャー」を。
――野球、Jリーグ、バルサ。企業としてスポーツに力を入れている印象があります。
「スポーツビジネスに力を入れているというより、『スポーツ・アンド・カルチャー』という認識でやっています。人間のこれからの生活は、さらなる効率化を目指すと共に、いかに豊かなものにするのかが必要になってきます。その意味では、芸術、文化、スポーツは極めて重要です。様々な出版社や新聞社が文化事業、スポーツ事業を行っているように、これからは我々のようなインターネット企業も、文化の面を強化していく時代に世界的に入っていくのではないか。今回の契約はグローバルなフットボールビジネスにとって、ターニングポイントになるかもしれません」