マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
タイブレークの影響はどこに出るか。
高校野球界の超長時間練習に影響?
posted2017/05/01 07:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Hideki Sugiyama
第100回全国高校野球選手権大会。
来年、2018年の「夏の甲子園」は第100回の記念大会になる。
地区予選の参加校数の多い北海道、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫に加えて、新たに福岡が2校出場に決まり、甲子園への出場総数は史上最高の56校。にぎやかな大会になりそうだ。今から、胸が躍る。
ちょうどそのタイミングに合わせるかのように、延長戦の「タイブレーク方式」が本格的に検討の俎上に乗ってきた。
現在は、延長15回で決着がつかなければ「引き分け再試合」としているが、この春のセンバツでは、なんと2試合連続で引き分け再試合が発生。これには驚いたが、タイブレーク議論のきっかけにもなったようだ。
センバツのみで採用、夏は納得いくまでのプレーを。
社会人の都市対抗野球や全日本大学野球選手権などでは、これまでもタイブレークの現場を何度も見てきた。
都市対抗野球では延長12回以降、一死満塁から、全日本大学野球選手権では10回以降、やはり一死満塁から。そのイニングの打順はどこから始めてもよい決まりになっているから、チームを率いる者たちが、選手たちをどのように評価しているのかの“手かがり”になって、見る者にとっては興味深かったりする。
タイブレーク、私は良い事だと思う。
ただ、採用するなら、10回からのタイブレークでないと意味をなさないとも考える。
そして高校野球の場合、春のセンバツにのみ採用していただいて、3年生の“卒業式”となる夏の高校野球のほうは、ぜひ選手たちが納得いくまでプレーをさせていただきたいと願う。