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18-17の“思わず笑っちゃう”激勝。
清宮幸太郎「いやあ、宣誓だ……」
posted2017/04/28 14:45
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Kyodo News
日大三 400 000 337 000 | 17
早 実 202 020 524 001x| 18
スコアを見ただけで、とんでもない試合だったことは伝わるだろう。昨年の秋季大会と同カードとなった春季東京都大会決勝は延長12回、18-17で早実が日大三にサヨナラ勝ち。早実の清宮幸太郎は8、9回に2打席連続ホームランを放って、千両役者ぶりを発揮した。
特に9回の同点3ランには、「今まで野球人生で1回もしたことがなかったんですけど、思わず出ちゃいました」というガッツポーズも。外から入ってきたスライダーをしっかりと引きつけてバックスクリーン左に運ぶ、力と技を合わせた一打だった。
ただ、9回までに両校合わせて17四死球と、打撃戦というよりも互いの投手陣が荒れた試合だった。そんな中、早実が最後まで粘り強く戦えた要因は3回表の守備に象徴されていたように思う。
2回までの守備で40分、3回は初の三者凡退。
早実2点ビハインドの3回表、日大三は先頭の4番・金成がサードフライ。続く5番・比留間が打ち上げた一塁へのファールフライを、上空の風に体勢を崩されながらも清宮がグラブの先に収める。6番・日置の三ゴロは三塁手・野村からの送球がハーフバウンドとなったが、清宮はこれを難なく捌いた。
2回までに40分近くを守備に費やしていた早実にとって、初めての三者凡退。そして、初回に3ランを放っていた日置を打ち取ったことでスタンドが沸く。
3回裏、早実は1死一、二塁で4番・野村。痛烈な当たりはゲッツーコースの遊ゴロだったが、日置が弾いて強襲タイムリーヒットになった。野村と日置というこの回のキーマンの明暗が分かれたところで、畳みかけるように6番・小西の同点打が生まれる。
清宮は主将として常々、この「守備のリズム」を大事にするようチームメイトに説いていた。