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原口元気のミドルが攻撃を作る。
年末の特訓は引く相手のために。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/03/27 12:45

原口元気のミドルが攻撃を作る。年末の特訓は引く相手のために。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

UAE戦後半にはゴール前の絶好機で岡崎慎司へのパスを選択した原口。連続得点記録より、チームの勝利を願うプレーだった。

代表での難しい戦い方に対して、一切言い訳をしない。

 そもそも現指揮官の下で、UAE戦で採用された4-1-4-1のような形で戦ったことはない。しかし、相手にあわせて、ホームかアウェーかによって戦い方を変えるのが、ハリルホジッチの求めるサッカーだ。個人としても、チームとしても、それに対応できなければ先には進めない。

 だからこそ、慣れない戦い方に対して、短い準備期間のなかでしっかりと対応するのだと胸に刻んでいた。

「もちろん、最初にあの形をやると言われたときに、少し戸惑いはありました。でも、(試合までの)2日間で選手同士も話したし、監督ともディスカッションもした。自分は、(長友)佑都くんと今野(泰幸)さんと3人で、どれだけ10番(この試合では21番を背負った右MFのオマル・アブドゥルラフマン)を上手く受け渡すかとか、サイドバックが上がった時にどうするのかとか、何度も、何度も、話し合ってやったので。実際に、ほとんど10番を消せたなと思うし……」

原口、長友、今野らがUAEのエースを完全に封じていた。

 前半の途中から、右MFのアブドゥルラフマンが左MFのバルマンと一時的にポジションを替えて、彼らにとっての右サイド、つまり日本にとっては原口や長友のいる左サイドを避けていたことからも、日本の守備が効いていたのはあきらかだ。

 もちろん、それだけではない。試合開始直後の日本の左サイドでは、基本的には原口が相手のサイドバックを、長友が相手のサイドのMFをマークする形だった。

 ただ、UAEも日本の守備のバランスを崩そうとして、攻撃の際には様々な工夫を見せていた。アブドゥルラフマンが逆サイドに回ったことだけではない。

 例えば、相手のボランチが右のセンターバックの隣まで下がり、かわりに右サイドバックが高い位置をとり、右のMFは中にしぼることで、マークをずらそうとする。そうすると、中に入った右MFには今野が、高く張り出したサイドバックには長友が、そして、原口は相手陣内にさがった右のボランチをケアする。相手が色々と工夫をしても、戸惑うことなくスムーズな連係があったのだ。

【次ページ】 チームのコミュニケーションの質は上がっている。

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