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もう高萩洋次郎は“10番”ではない。
韓国仕込みの球際で代表に帰還。 

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2017/03/23 07:00

もう高萩洋次郎は“10番”ではない。韓国仕込みの球際で代表に帰還。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

クラブ公式サイトの選手紹介でもテクニックやパスが強調されている高萩洋次郎。だが今は、韓国で身につけたハードな守備がそれ以上に目を引いている。

4年ぶりの代表、長谷部の代役として出場も?

 高萩の変化をつぶさに見ていく。すると、勝利に向けた本質の部分とは何かが、見え隠れする。

 日本代表入りは、'13年夏、アルベルト・ザッケローニ監督時代の東アジアカップ以来となる。当時は1トップに柿谷曜一朗、2ボランチの山口蛍と青山敏弘に挟まれて、トップ下でプレーしていた。

 あれから3年以上が経ち、高萩は再び代表に戻った。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、彼の評価をこう語る。

「これまでFCソウル時代も追跡していた選手。FC東京でプレーするようになり、すぐに呼びたいと思った。(以前より)より深いポジションでやっているが、彼からのボールで攻撃が始まるという質の高いプレーをしている。ゲームの読みもよく、攻撃の組み立ての中で違いを作れる。身長も183cmあり、ハイボールにも有用な選手だ」

 主将の長谷部誠が右膝を手術する可能性が浮上し、今回のUAE戦、タイ戦の出場は厳しくなった。残念ながら高萩自身も離脱し、UAE戦での出場が難しくなったが、近い将来試されて然るべき選手だ。

「ボランチは指示を出すポジションだから」

 最後に、我々が直接知り得ない、高萩のもう1つの長所があった。

「周りへの指示が本当に的確。よく声も出してくれるし、彼が入って守備陣は本当に助かっている」(森重)

「ゴール前のスペースを使われると、どうしてもDFは慌てる。でも洋次郎くんが常に『多少ボールを入れられても落ち着こう。タイトに行けば大丈夫』と声をかけてくれる」(太田宏介)

 積極的な指示。味方の高評価に、高萩はこう自分を見つめている。

「それは、純粋にポジションが変わったことが大きい。位置が変われば、自分がやるべきことも変わる。指示を出すのは、ボランチは少し後ろにいて、前や周りが見やすいから。広島時代は2列目でプレーしていて、後ろの選手に動かしてもらって助けられた。でも今は自分が味方を動かさないと、チームは回っていかないですから」

 勝利への道筋にも、冷静な試合観にも、ブレがない。攻撃偏重な10番タイプ、そんな印象ももはや皆無。変身して帰ってきた、高萩洋次郎。日本代表にどんな化学反応をもたらすかに注目である。

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