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新1年生を見れば箱根の未来がわかる。
持ちタイムで2位は青学、1位は?
posted2017/01/30 11:30
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Takuya Sugiyama
広島で行われた全国都道府県対抗男子駅伝が長野の優勝で終わり、駅伝シーズンはひと息ついたところ。
これからは男子でいえば、マラソンシーズンが本格化する。東京マラソン、びわ湖毎日マラソンが控え、今年8月にロンドンで行われる世界選手権の代表が決まっていく。
そして、「箱根駅伝好き」として楽しみなのが、今年の4月に入学してくる1年生の進路である。
「陸上競技は『変動係数』が少ない競技ですから、どれだけ優秀な人材を確保するかは重要な課題になります」
神奈川大の大後栄治監督は、そう話す。
変動係数を噛み砕いていくと、たとえば高校時代の5000mのベストタイムが15分ちょうどの選手がいたとする。彼が大学4年間をかけて13分台に突入することは、不可能とは言わないまでも、先例を見てもなかなか難しい。
その意味で、各大学がどんな選手をリクルートしたか調べるのは、未来の箱根駅伝、2017年入学の選手の場合は、彼らが4年生として走る「箱根駅伝2021」を占う意味で重要である。
青学は強いが、ランキングは意外な結果に。
過去数年のリクルーティングを振り返ってみると、圧倒的だったのは2012年の青山学院大(「山の神」神野大地、久保田和真など)と、2016年の東海大に尽きる(今年の箱根で、東海大は期待を裏切った。1年生が思ったような結果を残せず、私自身、2020年の東京オリンピック・イヤーの箱根は、東海大が本命と思っていたが下方修正した)。
さて、各大学に2017年に入学する選手の5000mタイム上位5人の平均を比較してみると、次のような結果となった。
1 東洋大 0:14:04.97
2 青学大 0:14:06.77
3 駒澤大 0:14:11.59
4 明治大 0:14:11.70
5 東海大 0:14:12.71
6 日本大 0:14:21.09
7 中央大 0:14:21.63
8 順天堂大 0:14:22.71
9 神奈川大 0:14:23.12
10中央学院大 0:14:23.21
11東京国際大 0:14:24.07
12帝京大 0:14:26.19
13早稲田大 0:14:26.47
(著者調べ)