オリンピックへの道BACK NUMBER
四大陸の中心はやっぱり羽生結弦。
深みと切れが増す「見せる」の変化。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2017/01/26 07:00
GPファイナルのエキシビションでは柔らかい表情を見せた羽生結弦。全日本こそ欠場したが、四大陸選手権でも優勝候補であることは間違いない。
女子の柱は宮原、そこへ樋口と三原がどう絡むか。
一方の女子は、宮原が柱となる。
全日本選手権では、濱田美栄コーチから、「狙っていきなさい」と、あえて勝ちに行く姿勢を求められた。いずれ迎えるであろう大舞台では、結果を追求することになる。その予行演習でもあった。
その中で、宮原は全日本選手権を制した。勝ちに行って勝利した国内大会を経て、四大陸選手権でも結果を意識しつつ、パフォーマンスを発揮できるか。宮原にとって、オリンピックへの成長のための試合となる。
昨年末の大会からどう変わったかが最大の見所。
樋口と三原は、シニア転向1シーズン目だが、独特の緊張感にあふれる全日本選手権では、両者ともに今シーズンの中でもベストと言ってよい滑りを披露。樋口は2位、三原は3位となり、世界選手権代表の座を勝ち取った。
2人は四大陸選手権出場も初めてだ。グランプリシリーズとも異なる雰囲気の中、どこまで持てる力を発揮できるか。世界選手権への試金石となる。
ましてや今シーズンの世界選手権は、来年の平昌五輪の国別出場枠がかかってくる。樋口、三原にもその重圧はのしかかるだけに、四大陸選手権は貴重な時間となるはずだ。
選手それぞれに時間を過ごし、それぞれに練習に励んで迎える四大陸選手権。昨年末の大会からどう変化した姿を見せるのか、楽しみだ。