フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全米フィギュアの女子もチェン!?
新女王は中国系米国人で、まだ17歳。
posted2017/01/25 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
AFLO
ミズーリ州カンザスシティで1月22日に終了したフィギュアスケート全米選手権では、男女ともに新チャンピオンが誕生した。
そして興味深いことに、男子、女子とも17歳で中国系、どちらも苗字がチェンという面白い偶然が起きた。
女子のタイトルを射止めたのは、カリフォルニア生まれのカレン・チェンである。
ほぼノーマークだったチェン。
もともとチェンは、2シーズン前に15歳で初挑戦した全米選手権シニア部門で3位に入賞して、将来を期待されていた若手だった。
だが昨シーズンは全米8位に終わり、今シーズンもGPシリーズでは中国杯で7位、NHK杯で6位とメダルを逃した。シニアGPシリーズは今シーズンで2年目となるが、まだ表彰台に到達したことがない。
そんなチェンは全米選手権でも、決して優勝候補ではなかった。だが「黄昏」のサントラで演じたSPでは、3ルッツ+3トウループを含むジャンプ要素をすべて成功させて、72.82でトップに立った。
「足りないものは自信だけだった」とコーチ。
フリー『タンゴ・ジェラシー』でも、2度の3ルッツを含む3回転ジャンプ合計6度成功させ、最後までスピードを保って141.40を獲得してやはり1位。総合214.22で、初優勝を決めた。
「自分がチャンピオンになる日が来るとは、なかなか信じられなかった。シーズン前半は、新しい靴の調整に苦労していました。ここでは自分でコントロールできることだけに集中して、できることをやろうと思っていました」と会見で語った。