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大宮アルディージャは接戦で輝く。
J1復帰1年目で5位、次は栄冠を。 

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粕川哲男

粕川哲男Tetsuo Kasukawa

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2016/12/27 11:00

大宮アルディージャは接戦で輝く。J1復帰1年目で5位、次は栄冠を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

Jリーグセカンドステージの川崎戦では劇的な逆転勝利を飾った。天皇杯での再戦を制し、初の決勝へとたどり着けるか。

計30試合が1点差もしくはドローと、接戦続き。

 大宮の粘り強さは、「1点差ゲーム」の多さにも表われている。

 第1ステージが9試合(6勝3敗)、第2ステージが10試合(7勝3敗)。そして引き分けが11試合。実に9割近い確率で接戦を演じているのだ。

 第1ステージ第14節のヴィッセル神戸戦のように、勝てる展開だったドローもあったが、特に第2ステージに入ってから力の差を感じる試合がなくなったのは、結果を残すことで自信を手に入れた選手たちが、行くときは行き、引くときは引く、現実的な戦いを選択したからではないだろうか。

家長は11得点5アシスト、スプリント数もトップ。

 そんな大宮の絶対的な柱は、今シーズンも家長昭博だった。在籍3年目、チームメイトが全幅の信頼を置く背番号41は、J1のピッチでも格の違いを見せつけた。

 左足を負傷して第2ステージは出遅れたが、それでも抜群の存在感で仲間たちを牽引。足下にボールが入った瞬間に攻撃のスイッチが入り、必ずキープしてくれるという信頼で周りが動き出す。

 本人はどんなときも冷静で、本気でタイトルを目指しているから少しも満足する素振りを見せないが、第2ステージで新潟、神戸に連敗したときは、家長がいてくれたらと思わずにはいられなかった。

 リーグ戦は26試合出場11得点5アシスト。ゴール数、パス数、スプリント数がチームトップで、家長がゴールして敗れたのは第1ステージ第3節のG大阪戦のみ。1-0の勝利を決める決勝点が3回あり、3-2で競り勝った第2ステージの川崎戦では2得点。先制のPKも、残り6分で決めた同点ゴールも、高度なテクニックと冷静な判断力が光った。

【次ページ】 「今年1年は種蒔きの時期だったと思っています」

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