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筒香の覚醒、山崎とロペスの不振。
ラミレス監督は主軸にどう対したか。 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/12/21 07:00

筒香の覚醒、山崎とロペスの不振。ラミレス監督は主軸にどう対したか。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

本塁打王と打点王の二冠を獲得した筒香。オーラをまといつつある様子はラミレス監督も肌で感じていた。

阪神のゴメスに話を聞いたことで、起用法を変えた。

――山崎選手のボールについて意見を求めた他チームの選手というのは……?

「タイガースのゴメスに話を聞いたんだ。甲子園でも横浜でも、山崎相手に4割以上の打率を残していた彼が『横浜スタジアムで対戦する時のほうがボールが見やすい』と言っていた。それを聞いて、ホームでセーブシチュエーションを迎えた時は、山崎ではなく、状況に応じて三上(朋也)や田中(健二朗)を使っていくということを決めた」

――山崎選手はこの2年間、ストレートとツーシームの2つの球種で切り抜けてきましたが、打者に対応されてきている感は否めません。球種を増やす必要があると思いますか?

「疑う余地もなく必要だ。クローザーとして一軍で安定してやっていくためには2球種だけでは十分ではないし、内角に投げないところも山崎の課題だ。球種が2つに絞れて、かつ外で勝負してくるということをどの打者も分かっている以上、球種を増やすか、内角に投げる術を覚えることは必要になってくる」

スランプに入ると長いロペスの復調をどう待つか?

――8月の中ごろ、今度はロペス選手が不振に陥りました。どんな思いで復調を待っていたのですか。

「ロペスのキャリアを見てきて、スランプに入ると長くなる、そしてスランプを抜ければヒットを量産するということは分かっていた。ノーヒットが10打席くらい続いたころは、『感覚は戻ってきているから今日は大丈夫』とロペスが言って、ぼくも『1本出れば変わるさ』と返す、そんな会話を毎日交わしていた。

 連続ノーヒットが20打席近くなってからは、メディアから『ロペスをどうするのか』という質問が出始めたが、ぼくは『ダイジョウブ、ダイジョウブ』と言い続けていた。さらにノーヒットが続くと、コーチ陣からも『ロペスをどうしようか』という話が出るようになったが、それでも彼を使い続けたのは、CSに行くためには絶対に彼の力が必要だと思っていたからだ。

 そして(8月24日の)タイガース戦でついに30打席連続ノーヒットになった。試合後のスタッフミーティングで、結果が残せるほかの選手を使うべきではないかという議論もあったが、1日だけ考えさせてくれとぼくからお願いした」

【次ページ】 5番から3番、まさかの打順昇格を告げた瞬間……。

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