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モーリス不在で上位拮抗の大混戦。
混戦のマイルCSはロードに一発が?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/11/19 08:00
上がり3ハロンではレース最速クラスのタイムを出す事が極めて多いロードクエスト。京都の400m以上ある直線は得意な条件か。
3年連続出場、2着2回のフィエロは?
勢いなら、準オープン、関屋記念、そしてイスラボニータを下した富士ステークスと3連勝中のヤングマンパワー(牡4歳、父スニッツェル、美浦・手塚貴久厩舎)が一番だろう。京都は初めてだが、長距離輸送は経験済みなので心配ない。ただ、3連勝させた戸崎圭太がフィエロに騎乗するため乗り替わりになることが若干気になる。
これで3年連続のマイルチャンピオンシップ出走となり、過去2回とも2着だったフィエロ(牡7歳、父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎)は、3度目の正直となるか。それとも、2度あることは3度ある、となってしまうのか。これだけGIで好走しながら重賞未勝利というのは、力を出せる形が限られているからだろう。得意の京都だけに、中団で折り合って、勝負どころから流れるように進出すれば、重賞初制覇がGI勝ち、というシーンもあり得る。
「化け物」と言われたロードクエストも怖い。
忘れたころに来そうなのが、新潟2歳ステークスを勝ったとき「化け物」かと思わされたロードクエスト(牡3歳、父マツリダゴッホ、美浦・小島茂之厩舎)だ。前走の富士ステークスで9着に負けたことで人気を落とすだろうが、あれはいわゆる「二走ボケ」だったのかもしれない。
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スプリングステークスで3着と好走しながら、次走の皐月賞で8着に負けたときと同じように、休み明けを好走した反動が出たとも考えられる。勝負強い池添謙一が鞍上で、かつて「栗東留学」と言われた、栗東トレセンに長期滞在しての仕上げで結果を出している厩舎だけに、一発ありそうな気がする。
昨秋から充実期に入ったマジックタイム(牝5歳、父ハーツクライ、美浦・中川公成厩舎)は、休養後、3着、2着と来て、ここが叩き3戦目。ダービー卿チャレンジトロフィーで、ロゴタイプやサトノアラジンらを負かしており、そのとき騎乗したアンドレアシュ・シュタルケが乗るのも好材料だ。
ほかでは、マルカシェンクの半弟ガリバルディ(牡5歳、父ステイゴールド、栗東・藤原英昭厩舎)、安田記念6着の内容からマイルが合いそうなディサイファ(父ディープインパクト、美浦・小島太厩舎)、ライアン・ムーアが乗るネオリアリズム(牡5歳、父ネオユニヴァース、美浦・堀宣行厩舎)も上位に来る力を持っている。