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「菊花賞は強い馬が勝つ」は古い。
折り合いが重要なら、ディーマジェ。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/10/22 08:00

「菊花賞は強い馬が勝つ」は古い。折り合いが重要なら、ディーマジェ。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

セントライト記念では、力強く抜け出して最後は余裕すら見せたディーマジェスティ。菊花賞でも強さを見せられるか。

距離はベストではないが、サトノダイヤモンドも強い。

 ゆったりした京都コースのほうが、重戦車のように沈む走りのこの馬のよさが生きる。春のうちは右回りより左回りのほうがいいと言われていたが、夏を越して成長したからか、そうした声も聞こえなくなった。

 ダービーと菊花賞を勝った二冠馬は過去2頭(うち1頭は戦時中に勝った牝馬のクリフジ)しかいないのに対し、皐月賞と菊花賞を勝った二冠馬は8頭もいる、というデータも心強い。

 3枠6番という好枠を引いた。ディープインパクト産駒は3000m以上の平地レースを勝ったことがないのだが、この馬がジンクスを破るか。注目したい。

 相手筆頭は、皐月賞3着、ダービー2着と、惜しいところで戴冠を逃してきたサトノダイヤモンド(牡、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)だろう。

 マカヒキ、ディーマジェスティとともに「3強」と言われているように、実力は間違いなく世代トップクラスだ。しかし、池江調教師がコメントしているように、3000mはベストとは言えない。2枠3番という、周囲に馬を置いて折り合いをつけやすい枠を引いたものの、ちょっとした接触や、急激なペースの変化などによってスイッチが入り、掛かってしまう恐れがある。

 とはいえ、仕上げはGI14勝の池江厩舎、鞍上は名手クリストフ・ルメールだ。'13年のセレクトセールで2億4150万円という高額で購入されたこの馬が、「サトノ」の冠で知られる里見治オーナーに初のGIタイトルをもたらす可能性も充分ある。

エアスピネルは母も三冠目を得たエアメサイア。

 今年は、皐月賞とダービーの1着から5着までが同じ顔ぶれで、それもレベルの高さを証明する要素になっていたのだが、春の二冠はどちらも4着だったエアスピネル(牡、父キングカメハメハ、栗東・笹田和秀厩舎)も争覇圏内にいる。前走の神戸新聞杯は、直線で伸びず5着に敗れたが、道中は後方に待機し、これまでにないほど折り合っていた。トライアルを試走として上手く使った。母エアメサイア同様、春の二冠の無念を三冠目で晴らすか。7枠13番という外枠だが、菊花賞4勝のうち3勝を15番より外の枠でマークしている武豊なら心配ないだろう。

【次ページ】 夏の上がり馬の中にも注意が必要な馬が数頭。

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