畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が語るジャパンFWの結束。
いつも一緒だったユハさんについて。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2016/10/22 11:00
畠山健介と、ユハさんこと湯原裕希はプライベートでも大の仲良しなのだ。
エディージャパンのFWは、本当に、本当に働いた。
ジャパンのFWの結束は固い。別にBKの結束が緩いわけでは、もちろんない。BKも含めチームとして一丸となっており、これは非常に大事なことだ。しかし、その中でもFWの結束は本当に固いと実感している。
エディージャパンのFW、特に2015年を共に過ごしたメンバーは、本当に、本当に、馬車馬並みに働いた。BKよりFWの方が、確実にキツかった。異論を唱えるBKはおそらくいないだろう。
裏を返せば、それだけジャパンのFWは世界との差が開いていた、ということだ。バックロー(6~8番)はサイズや能力でも劣らないメンバーが揃っていたが、タイトファイブ(1~5番)は、トモ(トンプソン ルーク)を除いてほとんどが日本出身。世界のタイトファイブに比べて、サイズもパワーも劣っていた。
「あれ? この部位、もう筋トレしなかったっけ?」
僕らは徹底して身体をデカくするよう命じられ、1週間の内に「あれ? この部位、もう筋トレしなかったっけ?」と感じるほど、何度も何度もウェイトトレーニングをしていた。ウェイトトレーニングコーチの新田(博昭)さんも、メニュー作りに相当苦労している様子だった。
デカくなれ、運動量は落とすな――そんな二律背反な命令を、僕らは忠実に遂行しようとした。
身体をデカくするために早朝からガンガン、ウェイトトレーニング。地獄のような全体練習の後、鬼軍曹のスクラムコーチ(マルク・ダルマゾ)が仕切る、過酷なスクラム練習。寸分のミスも容赦しないFWコーチ(スティーブ・ボーズウィック)が仕切る、細かなラインアウト練習と確認。BKがムーブやサインの確認をして、ストレッチや身体のケアに入った後もFWの練習は続く。
練習中、思考は停止しかけ、身体だけが反応する。身体はボロボロ、心はヘトヘト。そういった過酷な環境がFWの結束とセットピースを強くし、W杯という大きなプレッシャーがかかる状況でも自分たちの役割を遂行できる要因となった。