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畠山健介が語るジャパンFWの結束。
いつも一緒だったユハさんについて。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2016/10/22 11:00
畠山健介と、ユハさんこと湯原裕希はプライベートでも大の仲良しなのだ。
今回、ユハさんは代表に入らなかった。
今回のジェイミージャパンに、ユハさんは入らなかった。ユハさんのいないジャパンは久々だ。10月のミニ合宿ではヤマハ発動機ジュビロの伊藤(平一郎)君とルーミーになった。
伊藤君とは年齢こそ違うが、同じ早大出身、同じポジション、清宮(克幸)さんや長谷川慎さんといった同じ指導者に教わったなど、ユハさん以上に接点が多いのに、部屋で会話する機会はほとんどなかった。
自分の人見知りな部分や、必要以上に気を遣ってしまう性格がモロに出てしまった。せっかくルーミーになったのに、声をかけてあげられなかった。初めてのジャパンで緊張しているであろう伊藤君に先輩として色々教えてあげればよかった。今でも反省している。
気を遣わず、互いに注意できなければ強くならない。
ある日の夜、伊藤君のとなりで、今流行っているTV番組「フリースタイルダンジョン」(ラッパーたちが賞金獲得のためにバトルを繰り広げるバラエティ番組)をインターネットで見ていた。
伊藤君が所属するヤマハでも流行っているらしく、後日コウキ(山本幸輝)君から「ハタケさんもラッパーらしいじゃないですか(笑)」と話しかけられた。伊藤君が「ハタケさんもフリースタイルダンジョン見てたよ」とコウキ君に言ったのだろう。
後輩に気を遣わせて、ダメな先輩だ。ユハさんは僕に気を遣わせなかった。僕もユハさんには必要以上に気を遣わなかった。だからお互いグラウンド上ではダメな時、ちゃんと「ダメだ」と言えた。よくないプレーをした時はお互いが注意することができた。
僕とユハさんだけでなく、エディージャパンのチーム全体がそうだった。
そういった関係性は強いチームには不可欠だ。日本人はお互いをあまり注意し合わない。特に若いメンバーはそうだ。変に気を遣って、言いたいことも言えない関係性がグラウンド上で出てしまったら、ミスを注意できず、プレーはよくならない。勝ち続けるチームになれない。プレッシャーがかかったキツい時に、お互いを支え合える結束が生まれない。
ジェイミージャパンは、エディージャパンより過酷ではないかもしれない。しかし勝つために、自分たちでお互いを高め合うために厳しくしていければ、必ず強いチームになれる。
ゼロからのスタートじゃない。エディージャパンが作った「1」にさらに「1」を足していく。ラグビーに掛け算はない。1つ1つ足して、積み上げていく。勝ち続けるチームになるために。
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