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帰ってきたサムライ、J・ジョセフ。
ラグビー日本代表新監督の笑顔と覚悟。

posted2016/11/05 07:00

 
帰ってきたサムライ、J・ジョセフ。ラグビー日本代表新監督の笑顔と覚悟。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ジャパンの監督だけでなく、U20日本代表、ジュニアジャパン、サンウルブズのすべてをみる「チームジャパン2019総監督」という立場となった。

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Kiichi Matsumoto

「世界中から恐れられるNo.8。195cm、115kg」

 彼のプロフィールにはそう記されていた。

 今からさかのぼること17年前、1999年9月22日発売のNumber480号に、「6人のサムライ」と題して、ラグビー日本代表に選出された6人の外国人選手についての記事がある。

 その6人のうちの1人が、ジェイミー・ジョセフ。今年9月からジャパンの指揮を執る新ヘッドコーチ(HC)だ。

 かつてオールブラックスの一員として、1995年のW杯で145-17という、いまだ更新されていない大会最多得点でジャパンを木っ端微塵にし、その後来日。サニックスで活躍すると「3年居住」の条件をクリアして、ジャパン入りを果たす。そして'99年W杯は、ジャパンのナンバーエイトとして出場した。

巨大な体躯、胸板、46歳とは思えない太もも。

 2003年からコーチングの世界に入り、ウェリントン州代表、マオリ・オールブラックスのHCを歴任するなど着実にステップアップし、'11年に世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」のハイランダーズの指揮官に。'15年シーズンには見事、優勝を達成。そのチームには、昨年のW杯でも活躍した日本代表スクラムハーフ、田中史朗が所属していた。

 なんとも、日本との縁が深い。

「コンニチハー」。10月末日、都内某所。インタビュールームにジャパンの新指揮官が満面の笑みを浮かべながらやってきた。そして思った。

 デッ、デカイ!

 ラグビーに限らず、これまで数多くのアスリート、指導者を取材してきたけれど、これほど首を曲げて見上げたことはあまりない。しかも、胸板の分厚さが尋常じゃない。腰まわりはいかにも頑丈そうだし、太もものたくましさは46歳のそれとは思えない。

 世界中から恐れられるNo.8――。

 この人のタックルまたは突進を食らった幾千のラガーマンの中には、重傷者がいるだろうな、と本気で思った。ちなみに、新生ジャパンにスコッド入りした代表選手32名のうち、最も背の高いのはアニセ サムエラ(キャノンイーグルス)の198cm(118kg)である。

【次ページ】 笑顔のジェイミーさん、最後のひと言は……。

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