畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が語るジャパンFWの結束。
いつも一緒だったユハさんについて。
posted2016/10/22 11:00
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph by
Kensuke Hatakeyama
2016年10月3日、ラグビー日本代表のスコッドが発表された。
スーパーラグビーのハイランダーズを率いたジェイミー(・ジョセフ)が、正式に代表監督に就任し、この秋から日本代表を指揮する。
昨年、世界を驚かせたラグビー日本代表は、エディージャパンからジェイミージャパンとなり、2019年の自国開催のW杯に向けてようやく始動する。
新顔、馴染みの顔、久々な顔、様々なメンバーが集まり、テストマッチ4試合を戦う。エディージャパンで地獄の日々を共に過ごしたメンバーは少なくなっていた。新しい挑戦に対する興奮の中に“寂しさ”が紛れていた。
この秋、予定されているテストマッチの対戦相手はアルゼンチン(11月5日)、ジョージア(11月12日)、ウェールズ(11月19日)、フィジー(11月26日)の4カ国。どの国もフォワード(FW)が大きく、激しく、スクラムが強い。
バックスが戦闘機なら、フォワードはカタパルト。
ラグビーは常に進化し、ルールも変わっていくが、変わらないことが1つある。それは、「強いチームには、強いFWが必要不可欠」ということだ。
バックス(BK)が高い機動力を駆使し、相手スペースに攻め込む戦闘機だとすれば、我々FWはスクラム、ラインアウト、モールでBKを射出し、自らも攻撃する空母であり、カタパルトである。
土台となるカタパルトが不安定だと、戦闘機は安定した離陸ができず、有効な攻撃は望めない。最大火力、最大限のパフォーマンスを出してもらうために、僕たちカタパルトはセットピースを安定させ、前に出る必要がある。
セットピースの重要性は、エディージャパンで心に跡として残るほど痛感した。新しく招集されたメンバーだけでなく、僕でさえ「一軍」と呼べるトップ選手ばかりを集めたアルゼンチンやウェールズと戦った経験はない。来年以降もティア1の国との試合は増えていくだろう。ジェイミージャパンでは、特にFWは2019年まで、かつてない激しいセットピースバトルが待っているに違いない。