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WBC、侍ジャパンを悩ます変則日程。
MLBの実力者と準決勝まで戦えない?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNanae Suzuki
posted2016/10/05 07:00
昨年の世界野球プレミア12では3位に終わってから、日本代表・小久保裕紀監督は精力的に選手視察を行っている。
イスラエルやオーストラリアに現役MLB選手が入る?
たとえばイスラエル代表には、レッドソックス時代、上原浩治、田澤純一両投手と共に2013年のワールドシリーズ優勝を支えた左腕クレイグ・ブレスロウ投手(今季マーリンズほか)や、メッツ時代の高橋尚成、五十嵐亮太両投手とチームメイトだったアイク・デイビス内野手(メッツほか)らがいる。
予選を勝ち抜いたオーストラリア代表にも、そういう選手がいる。
2月に行われた予選1組で勝ち上がり、1次ラウンド・東京プールへの進出を決めたオーストラリア代表には左腕ライアン・ローランドスミス投手がいる。今年大リーグ通算3000安打を達成したイチローと同時期にマリナーズのユニフォームを着ていたこともあるので、ご記憶の方もおられるのではないかと思う。
オーストラリア代表には他にも、ブレーブス時代に川上憲伸、斎藤隆両投手の同僚だったピーター・モイラン投手、ツインズ時代に西岡剛内野手とチームメイトだったルーク・ヒューズ内野手などがいる。
WBCの1次ラウンド(東京、韓国、メキシコ、マイアミで開催)が始まれば、新たに(そして大勢の)現役メジャーリーガーが加わる見込みで、オーストラリア代表や1次Lソウルプールを戦うイスラエル代表が戦力をさらにアップさせて、日本や韓国を驚かせることになるかも知れない。
最大の難敵は「環境と対戦相手の突然の変化」では?
もっとも、侍ジャパンにとっての最大の難敵は1次ラウンドで戦うオーストラリアやキューバ、2次ラウンドで顔を合わせるだろう韓国、イスラエルでもない。東京で行なわれる2つのラウンドを勝ち進んだ後に待ち受ける、「環境と対戦相手、ふたつの突然の変化」ではないか。
例えば'06年第1回大会での日本は、第2ラウンドで米国、メキシコ、韓国と同組となり、米国で3試合戦い、準決勝に進出した。その第2ラウンドで日本は内外野が天然芝で、外野フェンスが左右非対称の米国の野球場を経験した。また、全員がメジャーリーガー、もしくはメジャーリーガーの多いチームを実戦を通じて体感できた。