畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
菅平、網走合宿は“地獄の鍛錬”だ。
畠山健介が語るラガーマンたちの夏。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2016/08/25 08:00
網走合宿最終日の打ち上げで、同期のヤス(長友泰憲)と2ショット。開幕に向けて、真夏の鍛錬に励んだ。
高校、早大時代の合宿で味わった強烈な日程と雰囲気。
高校時代(仙台育英学園)は3年間、夏の菅平で約1週間、1日2試合というハード過ぎるスケジュールだった。高校生のラグビー部の試合は30分ハーフ(60分)、2試合フルで出れば120分。当時はこれが当たり前だと思っていたが、若く体力があり、回復しやすかったのか、無知なのか、今思えば狂気的な日程だったと思う。
早稲田大学に進学した後も卒業するまでの4年間、毎年、菅平に行った。当時の早稲田は丸々1カ月、大学が所有する施設(通称セミナーハウス)に滞在する。合宿内容は高校時代とは異なり、基本的に早朝・午前・午後の3部練。ウェイトトレーニング、FW、BKに分かれてのユニット練習、全体練習をして、週末は試合、という流れになっていた。
当時は毎年、優勝争いをしていた関東学院(以下カントー)との練習試合が夏合宿の最大のターゲットだった。合宿の中盤にカントーとの試合がAチームからDチームの4試合組まれており、多くのOBやラグビーファンが冬の前哨戦を観戦しに訪れる。毎日の練習で疲労困憊、1カ月間特殊な環境に缶詰となり、目は鋭さを増し、ライバル関係のカントーとの試合は、練習試合とは思えないほど殺気立った異様な雰囲気だった。
サンゴリアスでは走り込み地獄の網走合宿へ。
サンゴリアスに入部すると夏の定番「菅平合宿」は走り込みメインのフィットネス合宿となった。1週間ほどフィットネスのみに特化し、その後北海道で「網走合宿」を行う。フィットネスメインの合宿から調整して試合、調整して試合という内容の合宿になる。多くのトップリーグのチーム、一部の大学が網走に集まる。網走はとても涼しく、夏でもラグビーするには良い気候となっている(最近は網走も暑くなってきたが……)。菅平ほど多くはないが、グランドも何面もあり、整備されていてとても綺麗である。食事も美味い、多くの学生が合宿する菅平とは違い、落ち着いた雰囲気となっている。
清宮さん(現ヤマハ監督)からヘッドコーチがエディーさんになってからは菅平の走り込み合宿がなくなり、試合メインの網走合宿のみが行われるようになったのだが、走り込みも網走合宿の試合の調整だった日に組み込まれるようになり、地獄の合宿になった。(大久保)直弥さん(現NTTコムFWコーチ)も同じだった。