畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
菅平、網走合宿は“地獄の鍛錬”だ。
畠山健介が語るラガーマンたちの夏。
posted2016/08/25 08:00
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph by
Kensuke Hatakeyama
東京は蒸し暑い日、刺すような暑さの日、様々な暑さを感じる日が続く。日々練習をするたび、肌の色黒さが濃くなっていく。サンゴリアスに入って今年で9年目の夏を迎える。
日本の夏といえば、高校野球の大舞台「甲子園」。さらに今年はオリンピックイヤーでブラジルでのリオ五輪。連日のメダリスト誕生のニュース、ラグビー7人制男子日本代表が世界の強豪たちを次々に破りベスト4に進出する活躍など、例年以上に熱い夏となっている。
今回のリオ五輪から正式種目となった7人制ラグビーだが、ラグビーは俳句で冬の季語となっている。本来ラグビーは冬のスポーツなのだ。そんな冬のスポーツのラグビーの夏はどうなっているかというと、「合宿」の時期となっている。
学生、社会人関係なく、多くのチームが合宿を行い、シーズンに向けてラグビーに集中する日々を過ごす一方で、トップリーグ3連覇中のパナソニックのように慣習に流されず、独自の夏を過ごすチームも存在する。各々のチームがシーズンの最後に笑うために熱く暑い夏を過ごす。
多くのチームが集まる“夏合宿の聖地”菅平。
僕は8歳からラグビーを始めた。今でもラグビーを始めた時の記憶は鮮明に覚えているが、いつが初めての夏合宿かは忘れてしまった。思えば毎年のように夏はラグビーの合宿をしてきた気がする。
中学から大学までは長野県の菅平高原で夏合宿を行っていた。夏の菅平ではラグビーに限らず、陸上部やサッカー、テニスなど多くの競技団体が集まり、過酷な練習の日々をすごしているのがうかがえる。夏の菅平に行けば、様々な場所で様々なスポーツを見て楽しむことが出来る。
夏の暑さを避けるため、さらに高地でトレーニングすることで心肺機能の底上げをするために菅平は選ばれているのだろう。またラグビーに関しては菅平に多くのチームが集まるため、多くの試合を組むことが可能となる。経験者が多数在籍する強豪校より、高校からラグビーを始めた選手が多いチームにとって、菅平は試合で経験値を上げられる貴重な場だ。個人の能力の底上げとチームとしての底上げ、菅平の存在意義はとても大きい。