詳説日本野球研究BACK NUMBER
甲子園で見つけた捕手、野手たち。
柳田・大谷の影響で打撃に変化が?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/08/19 07:00
秀岳館・九鬼隆平の強肩は、今でもプロで通用するレベル。どんなキャリアを歩んでいくのだろうか。
スイングや打撃のタイミングで見ていくと……。
次にストップウォッチを離れて、スイングの強さやタイミングの取り方のうまさを基準に置いて考えてみよう。
内野手では佐藤佑樹(北海3年・三塁手)、入江大生(作新学院3年・一塁手)、山本拳輝(作新学院3年・遊撃手)、花輪直輝(常総学院3年・三塁手)、公家響(横浜3年・一塁手)、今井順之助(中京3年・一塁手)、安田尚憲(履正社2年・三塁手)、太田英毅(智弁学園2年・二塁手)、松尾大河(秀岳館3年・遊撃手)という名前が挙がる。
作新学院の入江、山本の振りの強さは一級品で、入江は好球必打の徹底でも注目される。秀岳館の松尾は華麗なショートの守備でも注目され、スカウトの頭にその名前はすでにインプットされているはず。
近年は有力な外野手が多いが、今年も。
近年の特徴は、有力な外野手が数多く輩出されていることだろう。今年も田城飛翔(八戸学院光星3年)、西川愛也(花咲徳栄2年)、増田珠(横浜2年)、藤嶋健人(東邦3年)、奥村拓希(いなべ総合3年)、手束海斗(鳴門3年)、原田拓実(秀岳館3年)という逸材が控えている。
タイミングの取り方が秀逸なのは田城、増田、奥村、手束、原田で、反応のよさやパワーでは西川、藤嶋が際立っている。
田城はある球団関係者が「以前にくらべてタイミングの取り方が柔軟になっている」と評価しており、ドラフト候補にピックアップしていますか、と聞くと「もちろん」と即答した。守備と脚力も一級品で、初戦の市尼崎戦では「打者走者の一塁到達4.3秒未満」を4回クリアし、第3打席では初球をセンターにホームランにしている。硬軟取り混ぜたプレースタイルで、将来はプロで強打の1番打者をめざしていい選手だ。