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甲子園で見つけた捕手、野手たち。
柳田・大谷の影響で打撃に変化が? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/08/19 07:00

甲子園で見つけた捕手、野手たち。柳田・大谷の影響で打撃に変化が?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

秀岳館・九鬼隆平の強肩は、今でもプロで通用するレベル。どんなキャリアを歩んでいくのだろうか。

キャッチャー以外の野手を脚力で見てみると。

 キャッチャー以外の野手では、脚力に注目した。私が俊足の目安にしているのは打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」というタイムで、このハードルをさらに「一塁到達3.7秒未満、二塁到達7.9秒未満、三塁到達11.7秒未満」まで引き上げて選手をピックアップしてみた。

 鈴木海斗(常総学院3年・外野手) バント3.56秒
 草加稔(創志学園3年・外野手) バント3.68秒
 木戸涼(木更津総合3年・外野手)バント3.68秒
 菅原優輝(盛岡大付3年・二塁手) バント3.69秒
 丸山和郁(前橋育英2年・外野手) 二塁打7.70秒
 福田観大(履正社3年・外野手)  二塁打7.85秒
 鈴木海斗(常総学院3年・外野手) 二塁打7.88秒
 小川龍成(前橋育英3年・遊撃手) 三塁打10.86秒
 草加稔(創志学園3年・外野手) 三塁打11.00秒
 福田観大(履正社3年・外野手)  三塁打11.19秒
 加藤壮太(中京3年・外野手)   三塁打11.36秒
 原田拓実(秀岳館3年・外野手)  三塁打11.61秒

打順は下位でも、この数字には意味がある。

 打者走者の各塁到達タイムが面白いのは、下位打順の打者でもこのランキングに入ってくることである。常総学院の鈴木海斗はその最たるもので、普通のドラフトの読み物には絶対に名前が出てこない。また履正社の福田は、2年生スラッガー安田尚憲の陰に隠れてスポットライトが当たっていないが、チャンスメーカーという基準で考えると絶対に外せない名前である。

 この9人の中では、名前が2回出てくる鈴木、草加、福田の脚力が抜けていて、鈴木、草加は大学、社会人を経てからの候補、菅原は脚力だけでなくフルスイングのバッティングでも面白い存在で、ドラフトでも伏兵的存在と言っていい。

【次ページ】 スイングや打撃のタイミングで見ていくと……。

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