Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<あのヒーローは今>
北の“7割”捕手、糸屋義典。~'04 北海道・駒大苫小牧~
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/08/19 09:00
決勝では4安打4打点。「試合に良い当たりをとっておきたくて、打撃練習はしなかった」
そのバットで故郷に錦を飾った男たちは、甲子園で何を得て、その後の人生を送っているのか。北海道の英雄からブラジル出身のスラッガーまで、全国を訪ね歩き、社会に出た彼らの今を追った。
Number Webでは、駒大苫小牧の糸屋義典さんの記事を公開します。
Number Webでは、駒大苫小牧の糸屋義典さんの記事を公開します。
アテネ五輪開催中の2004年夏、駒大苫小牧によって深紅の大優勝旗が初めて津軽海峡を越えた。チーム打率は、過去最高の4割4分8厘。その中心にいたのが20打数14安打で、7割という驚異的な打率を残した「5番・捕手(3回戦のみ6番)」の糸屋義典だ。
「あれだけ打てたのは甲子園の雰囲気のお陰です。僕はお客さんに注目された方が気持ちが入る。ネクストバッターズサークルから打席に向かうとき、お客さん一人ひとりの表情までじっくり観察してましたから。野球人生でもっとも好調だった数日間でした」