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「もう少しわかりやすくなるべき」
アロンソも嘆くF1のルール変更。
posted2016/03/13 10:30
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
開幕までカウントダウンが始まった3月上旬。
土壇場になって、重要な変更が決定された。
F1のレギュレーションを最終決定機関である世界モータースポーツ評議会が、新しい予選方式(Qualify)を今年の開幕戦から実施すると発表したのだ。FIAによれば、新しい予選方式は以下のように進行されていくことになっている。
Q1(16分間)
開始から7分後に、その時点で最も遅いタイムのドライバーが脱落。以降、セッションが終了するまで、90秒経過ごとにその時点で最下位にいるドライバーが1人ずつノックアウトされていく。Q1では7名が姿を消し、15名がQ2に進出する。
Q2(15分間)
開始から6分後に、その時点で最も遅いタイムのドライバーが脱落。以降、セッションが終了するまで、90秒経過ごとにその時点で最下位にいるドライバーが1人ずつノックアウトされていく。Q2では7名が姿を消し、8名がQ3に進出する。
Q3(14分間)
開始から5分後に、その時点で最も遅いタイムのドライバーが脱落。以降、セッションが終了するまで、90秒経過ごとにその時点で最下位にいるドライバーが1人ずつノックアウトされていく。最後の90秒間は残った2名だけがチェッカーフラッグまでタイムアタックを行う権利を持つ。
混乱を引き起こす可能性も?
昨年までの予選システムでも、各クォーターの残り数分は目まぐるしく順位が変わり、なかなかエキサイティングだった。しかし、今度の新しい予選システムでは目まぐるしく変わる中、次から次へとドライバーが脱落していくため、逆に混乱を引き起こす可能性があると指摘する者も少なくない。F1のテレビ中継を管轄するFOMのトップであるバーニー・エクレストンも「テレビ中継の準備が間に合わない」と、突然の新方式導入に否定的である。
そもそも、なぜFIAは予選方式を変更したのか。
それは、最近のメルセデスAMG独走となっているF1を、予選方式を変更することで少しでもエキサイティングなものにしようという狙いからである。