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U-22、最終予選に甲府・伊東純也を!
武器は「一人で完結できる」スピード。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/12/01 10:30
甲府でも先発、サブ双方で使われどちらでも結果を残している伊東純也。
実は人見知りでインドア派な一面も。
伊東は甲府での1年目、30試合出場4得点という結果を残してきた。
「でも、得点は不満ですね。二桁は取れたチャンスがあったと思うので。ただ、J1の試合にたくさん出ることでスピードに慣れたし、逆に課題も見えました。シュートの精度を高め、イージーミスをなくさないといけないと思っています」
まだまだ荒削りだが、そういう選手が大きな舞台で、とんでもない活躍をしたりするものだ。3年連続で得点王を決めた大久保嘉人も、アテネ五輪の最終予選当時はまだプレーに波があり完成度が低かった。しかし最終予選の日本ラウンドのレバノン戦、UAE戦で貴重なゴールを挙げ、日本をアテネ五輪へと導いた。伊東もその素質を十分に持っている。
ただ心配なのは、非常におとなしいところだ。黙々とプレーするので、ファイトする姿勢が伝わりにくい。性格的にも人見知りでインドア派なので、普段はほとんど外出しない。今回の合宿では鎌田大地と同部屋だったが、2人ともほとんど部屋の中で過ごしていたという。
これで周囲の選手とコミュニケーションは取れるのだろうかと心配になるところだ。
「代表は少ない時間で合わせていくものだと思うんで」
「普段は取らなくても、練習や試合の時に『出して』と要求すればいいし、裏への動きとか、わりとみんな見てくれているんで、そんなに心配していないです。代表は少ない時間で合わせていくものだと思うんで、心配していません」
現チームは細かいパスワークで崩すスタイルではないし、伊東の場合、多少パスがズレてもスピードがあるのでボールをキープできる。裏に出るタイミングさえ味方に掴んでもらえれば、呼吸を合わせるのはそれほど難しくはない。
実際、湘南との練習試合では、同部屋で親交をあたためた鎌田からのスルーパスに反応し、ゴールポストを叩く決定的なシュートを放った。
では、伊東をどこで起用すべきか。
スピードを生かすのであれば、サイドがベストだろう。本人は、「サイドでも1トップでも問題ない」と言うが、前にスペースがあった方が伊東のプレーがより活きてくる。湘南戦では4-2-3-1から4-3-3に変更し、チームが守りに入った時、鎌田、中島翔哉、伊東の3人の前にはスペースができていた。右サイドに入った伊東は、そのスペースを使って伸び伸びとプレーしていた。4-3-3は、伊東のプレースタイルにフィットするシステムと言えよう。