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7年間で5勝、日本の牝馬がJC制覇。
ショウナンパンドラが「名馬」の域へ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/11/30 11:15
距離が延びれば延びただけ強いショウナンパンドラ。有馬記念も射程圏に捉えたか。
歴史的名牝に並びつつあるショウナンパンドラ。
勝ちタイムは2分24秒7。
「最高の状態に仕上がっていたので、ぼくはしっかり乗るだけでした。天皇賞と同じ馬番になって、競馬の神様に試されていたのかと思いました。前にラブリーデイがいて、ここ2走負けていたので、なんとかかわしてくれと思いながら追いました」と池添。外枠が不利な東京芝2000mの天皇賞・秋では、同じ15番枠から4着に惜敗した。今回は、1コーナーまでの直線でスムーズに内に誘導し、ロスなく走らせた。
これが昨年の秋華賞につづくGI2勝目。牝馬によるジャパンカップ制覇は8回目となった。35回のうち8回だから少ないようだが、2009年にウオッカが勝って以降の7年間では5回、日本の牝馬が勝っている。
ウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ――と、かつてジャパンカップを制した日本の牝馬は、競馬史に残る名馬ばかりだ。各馬が早めに動いて消耗戦となったなか、牡馬勢との叩き合いを制したショウナンパンドラの強さも、牡牝の違いを超越した「名馬」の域に達しつつある。
ムーア「勝ったかと思ったが……」
首差の2着がラストインパクト。経済コースを通り、7番人気の同馬をあわやのところまで導いたムーアは、「勝ったかと思ったが、最後の1ハロンで止まってしまった」と振り返った。さらに首差遅れた3着となったラブリーデイの川田は、「4コーナーで早めに動かざるを得なくなって、2400mが得意でないぶん最後に苦しくなった」と敗因を語った。
3番人気のミッキークイーンは、道中、他馬に馬体をぶつけられたことが響いて8着。2番人気のゴールドシップは、直線で案外伸びず、10着に終わった。「調教師からは『マクるような競馬はしないでくれ』と言われていたが、前がゴチャゴチャしていたし、ペースも落ちついたので早めに動いた。直線で思ったほど伸びなかったが、ブリンカーを外したことや、左回りは関係ないと思う」と横山。
ジャングルクルーズが4着と健闘し、サウンズオブアースが5着、イラプトが外国馬最先着の6着だった。