サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ロシアW杯まであと2年半――。
日本の歩みを韓国と比べてみると。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/11/20 16:00
東アジアカップ(2015年)での日韓戦の風景。中国の武漢で開かれたこの試合は、1-1の引分けとなった。
「準備段階で悪い方が、W杯本大会で結果がいい」
あの時の準備段階を振り返ると、韓国はホ・ジョンム監督のもと「予選無敗突破」を果たしていた。いっぽうの日本は、オシムから岡田武史への監督交代、大会直前の日本での壮行試合の惨敗(相手は韓国だった)で悲観論があがるなど、決してよいとは言い切れない状態で本大会に臨んだ。
日韓比較の観点で考えると、ある法則が存在するのだ。
「準備段階で悪い方が、W杯本大会で結果がいい」
筆者はこれは決してジンクスではなく、理由のある事象だと考えている。
今の日本サッカーは、新たな局面に直面しているのだ。
問題点は早くに分かったほうがいい。
アジアのライバル韓国との比較からは、そういった答えが出てくる。逆に言えば、日本の2000年代以降のワールドカップの歴史は「準備段階での状態はよいが、蓋を開けてみてビックリ」ということの繰り返しなのだ。
つまりは、アジアのライバルとの比較から「現在地」を探るのであれば、今の日本はこうなる。
「違う歴史を知る時間を過ごしている」
今後、本田や香川の次の世代で、「アジアトップ国のプライド」が保てるかはわからない。だからこそ「多様な予選の戦い方」や「見通しの持ち方」について考えてみたい。少なくとも2015年末のこの段階では、健全な批判をどんどん楽しんでみる。
日本代表のプレーぶりが悪ければ、悪いなりに盛り上がれる。
これもまた、日本サッカーの「強さ」ではないか。
歴史の中での成長、でもあると思うのだが。