サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ロシアW杯まであと2年半――。
日本の歩みを韓国と比べてみると。
posted2015/11/20 16:00
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
Takuya Sugiyama
「次は、もっといい戦いを見せないといけない」
岡崎慎司は先日のカンボジア戦を反省の弁で締めくくった。17日のワールドカップ2次予選を2-0で終えてのことだ。
ワールドカップ予選なんだから、当然のことだ。
いやいや、テストをする段階なんだから、出来の悪いゲームがあるのも当然?
現状をどう捉えるべきか……。
ワールドカップ2次予選というものは、意外と見方が難しい。厳密にいうと、予選のレギュレーションは大会ごとに細かく変わるから、“最終予選ではないアジア予選”は難しい。
公式戦である以上、観る側もアクセルを踏んでいくべきなのか。
2ゴールのみで終わったカンボジア戦について、過激なスポーツ紙は「ハリルホジッチは給料泥棒」とまで記した。そこまではないにせよ、「最下位にやっと2ゴール」といった論調も多かった。
はたまた「重要なのは最終予選」と少し緩めてみるべきか。ハリルホジッチ自身は「年内は多くの選手を観る時間として使う」と明言している。カンボジア戦後も「11月の戦いで20人近い選手を起用した。この予選の段階でそれをするのは可能だと思っていた」と口にした。だったとしたら、「本田圭佑なしで試合をするんだったら、それをやりきれ」というツッコミも可能だが……。
ロシアW杯まであと2年半の時点での評価基準。
日本がワールドカップ本大会に出場して(つまり初めて予選を突破して)18年が経つが、この段階でのチームをどう評するべきかは、なかなか論点が定まらない。
予選開始時点では、本大会まで3年間という時間がある。そうでなくとも、近年の日本代表には、「現在地」を見失わせるような複雑な要素が加わっている。
「最終予選や本大会ではあくまで別のサッカーをやらねばならない」
ここ3大会くらいの結果で明らかになってきた点だ。守備を固めてくる相手を崩すサッカーと、対等以上にポゼッションしてくる相手に対するサッカーは違うし、必要な選手も違う。特に前任者のザッケローニのケースでは、この壁に真正面から衝突することになった。