サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ロシアW杯まであと2年半――。
日本の歩みを韓国と比べてみると。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/11/20 16:00
東アジアカップ(2015年)での日韓戦の風景。中国の武漢で開かれたこの試合は、1-1の引分けとなった。
今の日本代表に、本当に問題があるのか?
さらにもうひとつ。現在の日本代表は、近年にない流れを経験している。
今年2月3日の前任者ハビエル・アギーレの解任。また、ハリルホジッチ就任後は、6月16日のワールドカップ予選シンガポール戦では0-0のドローを演じた。ホームでの公式戦で勝ち点2を取りこぼすようなこともあまりなかった。
何かおかしいのではないか。いやいや、結果的には予選E組ではトップに立っているから何も問題はない。どっちにも捉えられる状況だ。
これまでにも増して、現在地を見失いそうな状況にあるのだ。
1人で4年間続かない……韓国代表監督。
ここでひとつ、現在地を知るための比較の対象を。
韓国だ。
1955年以降、一度も“4年間同一監督体制”が続かなった国が、かつてない安定期を迎えている。
16勝3分1敗。得点44、失点4。
2015年の韓国代表の通算成績だ。
ブラジルワールドカップ後に就任したドイツ人ウリ・シュティーリケのチームが喫した唯一の敗北は、アジアカップ決勝オーストラリア戦でのもの。8月、日本が最下位に終わった東アジアカップでは優勝を手にしている。ワールドカップ予選はここまで6連勝、23得点0失点の快調ぶり。これまで苦手としていた中東でのアウェーゲームでも2連勝(レバノン、クウェート)を挙げている。日本がシンガポール、カンボジアと戦った11月には、ミャンマー相手に4-0(ホーム)、ラオス相手に5-0(アウェー)の結果を残した。
今秋のテストマッチの際には、こんな余裕を含んだコメントを残している。
「我々が勝つだけではなく、何点差で勝つかをメディアの皆さんは気にかけている。とてもよい状態だということだ」