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ザック、岡田、ジーコの誰とも違う部分。
シンガポール戦でハリルが見せた新味。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/11/13 11:20

ザック、岡田、ジーコの誰とも違う部分。シンガポール戦でハリルが見せた新味。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

金崎夢生は、5年ぶりの招集でいきなりスタメン出場という大抜擢にゴールで応えた。

日本でも有効なアルジェリアでの経験。

 ブラジルW杯でアルジェリアを率いた当時のハリルホジッチ監督は、対戦相手によってスタメンを入れ替えていた。全4試合に先発したのは、GKを含めても3人しかいない。欧州や南米の強豪と対峙した彼は、11人+αで戦うことを戦略の核としていた。

 シンガポール戦のチームが、最高のパフォーマンスを見せたわけではない。相手を引き寄せてのカウンターも意識した後半は、運動量の低下が足かせにもなって攻撃に迫力を欠いた。

 そもそも相手はシンガポールである。スコアのうえでは快勝でも、逃した決定機が気になる。少なくとも、あと2点は取らなければいけなかった。

 ただ、同じシンガポール戦でも'04年3月とは、意味合いがまったく違う。選手を入れ替えながら、勝利をつかんだからである。

 W杯におけるアルジェリアと日本、そしてアフリカとアジアは、立ち位置が似通っている。だとすれば、シンガポール戦で見せたスタメンの入れ替えは、歴代の代表監督と一線を画すだけでなく、ハリルホジッチ監督のチーム作りが具体化しているシグナルなのか。11人+αを先発候補とし、実際に使い分けていくことで、競争意欲を原動力とした一体感を作り上げようとしているのか。

 17日に行われるカンボジア戦で、彼の考えがさらに見えてくる。

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ヴァイッド・ハリルホジッチ
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