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全日本ラリー2015。
国内復帰2年目の新井が本領発揮。 

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posted2015/09/17 18:00

全日本ラリー2015。国内復帰2年目の新井が本領発揮。<Number Web> photograph by TOYOTA

新型のスバルWRX STIを駆ってJRCポイントランキング(ドライバー部門)トップをゆく新井敏弘(9月17日現在)。

前人未到、勝田が開幕戦10連覇を達成。

 初日8本、2日目6本のSSが設定された開幕戦。JN6では奴田原と勝田が熾烈なデッドヒートを展開する。最初飛び出した奴田原を勝田が逆転し、一進一退の展開を繰り広げながら最終的に勝田が逃げ切り優勝を果たした。勝田が成し遂げた開幕戦10連覇は、前人未到の大記録だ。2位奴田原、3位新井と、実力者が上位を占めた。

 JN5は初日、眞貝、柳澤、天野のニューカマー勢が三つ巴の戦いを演じた。

 2日目も好タイムをマークした眞貝が勝利を飾り、アバルトはデビューウィンを飾った。2日目に追い上げを見せたのは一昨年にこのクラスを制しているトヨタ86。石田雅之のドライブでプジョー、ヴィッツを上回り2位表彰台を獲得した。3位はヴィッツGRMNターボの天野がプジョーとの争いを制した。

 開幕戦によって今シーズンの勢力図が明らかになり、各クラス上位を占めた選手によるタイトル争いが繰り広げられることとなった。

選手権のポイントシステムとは?

 開幕戦から第2戦「久万高原ラリー」(愛媛県)、第3戦「若狭ラリー2015」(福井県)とターマックラリーが3戦続き、第4戦「2015 ARKラリー洞爺」(北海道)、第5戦「がんばろう! 福島MSCCラリー2015」(福島県)とグラベルラリーが連続する。

 全日本ラリー選手権のポイントシステムは、SSの総距離や路面がターマックかグラベルかによってポイントの係数が変わる。

 SS総距離50~100kmのターマックラリーが基準点となり、各クラス優勝10ポイント、2位8ポイント、3位6ポイント、以下8位までがポイント圏内だ。グラベルラリーでは同距離の場合、係数1.2となり、獲得できるポイントはターマックラリーに比べて1.2倍となる。

 さらに、2日間のそれぞれ上位3台にはデイポイントも加算され、有効ポイントは全9戦中獲得ポイントの高い順から7戦分という複雑なポイントシステムが組まれている。

 各選手は、このポイントシステムを睨みながら、それぞれのシーズン戦略を立てている。

実績No.1の新井敏弘がシーズンをリード。

 JN6では、第2戦、第4戦、第5戦を制した新井が、ポイント争いを大きくリードした。

 実績No.1の新井は、昨シーズンから戦いの場を海外から国内に変えたが、復帰初年度はなかなか結果が残せないままシリーズを3位で終えている。しかし、新型WRXを投入した今年はその本領を発揮し、速さと強さを見せつけている。

 新井を追う勝田は第3戦で優勝したが、第2戦でコースオフを喫しリタイア、第4戦では3位に入るもペナルティを受け6位降格とポイントを取りこぼした。

【次ページ】 全日本を9回制覇、奴田原の苦戦。

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