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遠藤や武藤の持ち味を活かすには?
福西崇史、日本代表メンバーを語る。 

text by

福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2015/08/21 11:00

遠藤や武藤の持ち味を活かすには?福西崇史、日本代表メンバーを語る。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。

本来CBの選手を最初からSBに起用するのは……?

――所属する湘南が採用しているのは3-4-2-1で、遠藤は主に3バックの右を務めています。

福西:あと、リオ五輪を目指す世代別日本代表では基本的にボランチでプレーしている。総合的に見てみると、中央でのプレーが慣れているな、というのが正直なところ。

――ふむふむ。

福西:4バック時のサイドバックは、長友や内田とかがこなしているプレーを想像してもらうと分かりやすいと思うけど、オーバーラップする時は最終ラインから前線まで駆け上がる。逆にボールを奪われた際には、自分が上がったスペースを使われる可能性が高まるから、また全速力で戻らなければいけない。

――縦方向、上下動へのスプリントが求められます。

福西:もちろん3バックの両サイドを務める選手も、オーバーラップを仕掛けるケースがある。ただ、それ以上に優先されるのは守備面での安定だからね。スピードに乗ったスプリントができること以上に、ボールを奪われた時に相手が使ってきそうなスペースを埋める力が求められる。

――いわゆる、危機察知能力。

武藤の得点以外の良さを出すには?

福西:だね。ケガや出場停止といった緊急事態に遠藤がサイドバックでプレーできるのはチームにとっては大きいけど、最初からサイドバックで……というのは、そんなに多くはないんじゃないかな。あと、武藤に関しては、ワンタッチシュートの精度の高さで2得点を奪えたというのは良かったところだよね。ただ、彼の良さは得点以外のところにもあるでしょ?

――前回も話しましたが、個人的には“チャンスメイカー”としての役割を果たせる選手だと思っています。

福西:チームがポゼッションしているとき、相手の最終ラインと中盤が作るブロックの間に顔を出してパスを受けるよね。これを繰り返すことで相手のラインが崩れて、徐々にスペースができてくる。武藤はそうやってボールに絡み続けることによって、良さが出てくるタイプでもある。ただ今回の代表戦に関して言えば、なかなかいい形でボールを受けられなかった印象だよね。

【次ページ】 選手の持ち味を生かし切ることができなかった。

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