選手の持ち味を生かし切ることができなかった。

――ふたりだけでなく、「もっとJリーグで発揮している特徴を出せるだろうにな」と思うことが多かったです。例えば、川又や永井なんですが……。

福西：なるほどね。川又はゴールを決めきる力、永井は一度全速力に乗ったら止められないスピードが持ち味。だけど選手それぞれが“自分で何とかする”という気持ちが強すぎた分だけ、彼らの特徴を生かし切ることができなかったとも言える。例えば川又はクサビのパスを受けるプレーが多くなって、ゴール前でプレーする機会は限られた。永井も相手が引いている状態では、なかなか生きない。

――例えばですが、川又をゴール前に近づけるため、永井にスペースを与えるために、武藤にボールを預けて相手マークをズラしていく……というような。

Jリーグでも世界の強豪と戦うくらいの試合を。

福西：そうなんだよね！　そういった工夫が攻撃にコンビネーションを生み出すことになるから。あと、これは強く言っておきたいけど、悔しさを味わったメンバーだからこそ、Jリーグで存在感のあるプレーを見せなければいけないよね。

――確かに。

福西：Jリーグという枠の中だけど、1試合ごとにアジア、世界の強豪リーグの相手と戦っているくらいの激しさ・技術・メンタルで戦ってほしいよ。Jリーグ自体のレベルを上げることが、日本代表の土台を作っていくわけだからさ。