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GI史上最高配当のヴィクトリアマイル。
なぜハイペースで先行馬が残った? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/05/18 11:45

GI史上最高配当のヴィクトリアマイル。なぜハイペースで先行馬が残った?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

これまではスプリンター適性を見せていたストレイトガールだが、府中のマイルでも力強く伸び、大波乱を演出した。

「ハイペースの競馬」のセオリーにない結果。

 確かに、前半800mを45秒5、1000mを56秒9で通過する流れはハイペースだが、これはポツンと単騎で逃げたミナレットが刻んだタイムだ。この馬を含む先行3騎は、淀みのない流れをつくって粘り込む競馬をした。それに対し、ミナレットから10馬身ほど後ろでかたまっていた15頭は、前記の通過タイムより2秒ほども遅いペースで走り、最後の瞬発力勝負をすることになった。

 全体の6番手で競馬を進めたヌーヴォレコルトのラップを見ると、1000mを59秒0で通過し、ラスト3ハロン33秒5の末脚で追い込んでいる。ヌーヴォ自身も速い脚を使っていたのだが、相対的にはさほど伸びておらず、ストレイトガールに3馬身半ほどおよばなかった。

 先行した3頭と後ろの15頭とが、流れとしてつながっていなかったがために、「通常のハイペースの競馬」のセオリーにはない結果になったのではないか。

 ……と、あとづけで分析するのは簡単である。が、こうしたレースになることを前もって読むのは、予想にあてる時間を倍にしていたとしても、私には無理だったと思う。3連単は4896通りのうち4140番人気だったというが、いろいろな展開になり得るうち、この展開に落ちつくのも、起こりやすい順で言うと、4896通りのうち4140番目ぐらいだったような気がする。

 ひとつ確かなのは、そうした特殊な競馬になりながら、15頭のかたまりのなかからただ1頭抜け出し、凄まじい末脚で勝ち切ったストレイトガールは強い、ということだ。

 藤原調教師は、昨年もチャレンジした、12月の香港への参戦を示唆した。

 新女王の今後も楽しみだ。

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