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なぜか内枠の馬が勝てないオークス。
「魔の1枠」ドンキの二冠を阻むのは?
posted2015/05/23 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
今年の第76回オークス(5月24日、3歳牝馬GI、東京芝2400m)は、出走馬18頭のうち、なんと13頭が桜花賞出走組だ。しかも、桜花賞の1着から10着までが勢ぞろいしているのだから、舞台こそ替わるものの、「桜花賞の再戦」と言っていいのかもしれない。
桜花賞が改修前の阪神コースで行なわれていたころは、スタートしてすぐ最初のコーナーがあるトリッキーなレイアウトだったため、「テンよし、中よし、終いよし」の馬でないと勝ち負けできなかった。そのため、スタミナと底力が求められるオークスとは別種のレースになりがちだった。
ところが、直線の長い外回りコースで行なわれるようになってからは、桜花賞上位組がオークスでも活躍する傾向が、より強くなった。
68年間、1番枠の勝ち馬は出ていない。
となると、当然、その桜花賞を完勝したレッツゴードンキ(父キングカメハメハ、栗東・梅田智之厩舎)が主役候補の一番手ということになるのだろうか。そう思って枠順が出るのを待っていたら、なんと、1枠1番を引き当てた。東京芝2400mは、ゲートから第1コーナーまで距離があるから枠の有利不利はあまりないと言われている。が、オークスが東京で行なわれるようになった1946年以降、1番枠の勝ち馬は同年のミツマサ以来68年間現れていないという嫌なデータがある。
面白いもので、同じコースで行なわれるダービーでは、'14年ワンアンドオンリー、'13年キズナ、'10年エイシンフラッシュ、'09年ロジユニヴァース、'08年ディープスカイ、'06年メイショウサムソンと、過去10年で1枠を引いた馬が6勝もしている(ワンアンドオンリーとメイショウサムソンの馬番は2番)。
揉まれても平気な牡馬と、接触などで嫌気が差してしまいがちな牝馬との違いなのか。
レッツゴードンキは、逃げて桜花賞を圧勝した馬だが、阪神ジュベナイルフィリーズでは追い込んで2着に来たように、どこからでも競馬ができる。言ってみれば「万能型」であるから、コースロスなく競馬ができる1枠1番は、素直に「追い風」と見ていいような気がする。
この馬だけに権利のある二冠獲得の可能性は、けっして小さくない。