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Jリーグはアジアの盟主から陥落!?
中国、ASEANの資金力に抗う方法は。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byKyodo News
posted2015/04/13 10:30
習近平主席はサッカーファンとして知られ、政府は「中国サッカー改革の総合プラン」を発表。W杯出場を目標とし、2025年までにサッカー学校を5万校設立、海外コーチの招聘などを計画している。
アメリカはデジタルメディアに150億円投入。
(5)アメリカ合衆国:「株式を売ってデジタルメディアに投資」
オーストラリアと同じく2部降格がなく、投資を呼び込みやすい。今年カカを擁するオーランドが参入し、MLS(メジャーリーグサッカー)は計20チームになった。今後ベッカムがオーナーとなるマイアミなどが設立され、2018年までに24チームになる見込み。
MLSの転機のひとつは、リーグを統括するマーケティング専門会社『サッカー・ユナイテッド・マーケティング』が株式の25%を売却したことだ。それによって得た約150億円を、主にデジタルマーケティングに投資。
現在、約40人の専門スタッフが24時間体制で、MLSの試合映像を15秒に凝縮し、洗練されたクリップをSNSで拡散。メジャーリーグベースボールのデジタルメディアの取り組みを参考に、認知度のアップを図っている。
今年7月にはジェラードとランパードの加入が決まっており、さらなる盛り上がりが期待される。伝統に執着せず、今季からロゴが一新された。
(6)メキシコ:「1年を通して週2回のハイペース開催」
18チームによる2ステージ制で、前期と後期それぞれにプレーオフがある。さらに南米のリベルタドーレスカップ(前期の上位2チームとスーパーカップの勝者が出場)と北中米カリブ地区のチャンピオンズリーグ(前期と後期の各プレーオフの上位2チームが出場)にも参加。これに該当しないチームは、国内のカップ戦に出場する。
温暖な気候条件を生かして、1年を通して週2回のハイペースで試合が行なわれている。これらの収益を育成に投資し、代表もクラブもユース年代から積極的に国際遠征を行なっている。中西氏によれば「18歳までにおよそ100の国際大会を経験する」という。
(7)ドイツ:「各クラブの育成を格付け」
ドイツのブンデスリーガは、2007年から各クラブのユース組織の格付けを開始。そのスコアが良いところほど、CLからの育成金が多く分配される仕組み。当初は各クラブから猛反発を受けたが、「格付けによって課題が明確になり、改善計画を立てやすくなった」と高く評価されるようになった。隣国ベルギーもこのシステムを導入した。