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地方から日本サッカーと社会を変革!
FC今治オーナー就任、岡田武史の夢。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshio Ninomiya
posted2015/02/28 10:45
新体制発表会に登場したEXILEの白濱亜嵐(左から2人目)と岡田オーナー。白濱は「日本を代表するようなチームに」と夢を語った。
クラブ運営の先に、地方社会の再生も見据える。
「FC今治が強くなって面白いサッカーをしたら、どうなるでしょう? ひょっとしたら全国から、そしてアジアから(今治の)育成に入りたいという若者、岡田メソッドを勉強したいという指導者が集まってくるかもしれない」
岡田は中国スーパーリーグで杭州緑城の監督を2年間務めてきた経験もあり、中国とのパイプもある。型づくりのみに終わらず、ビジネスチャンスを広げていくことで地方創生につなげていきたい、との夢を持っているのだ。
その型づくりの先にあるのが、社会づくりだ。
「少子高齢化、グローバル化による一極集中で、地方のクラブは縮小スパイラルに入らざるを得ない。そんななかで新しいビジネスモデルを提示して、(地方でも)生き残っていけるというものを掲げていきたい。ひいてはそれが地方創生にもつながっていくと思っています。つまりは外から人、モノ、お金が入ってくる仕組みです」
「ACLで優勝して、日本代表選手を5人以上輩出する」
夢に向けて、初めの一歩を踏み出したばかり。
地域リーグは5部に相当し、四国リーグを勝った先に全国地域サッカーリーグ決勝大会があり、そしてJFLとJリーグへの道はまだまだ遠い。
だが彼は「2025年にJ1で優勝争いをするチームとなり、ACL優勝を目指す。その時にはFC今治から5人以上の日本代表選手を輩出する」という壮大な目標を掲げる。
「58歳にしてまたワクワクさせてもらえる。チャレンジできることは幸せだと思っています」
そう言うと目尻を下げて、柔らかい笑みを浮かべた。
メディアに配布された資料の最初のページに、岡田の挨拶文が載っている。
「FC今治から、希望を実現する『型』をつくりだしていきます。その『型』とは、戦略としての方法論でありながらも、最終的には個が持つ可能性を拡げるものです」
「型」にあって、「型」にあらず。
岡田武史の“型破り”なチャレンジは、日本サッカーと日本社会に何をもたらしてくれるのだろうか。