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地方から日本サッカーと社会を変革!
FC今治オーナー就任、岡田武史の夢。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshio Ninomiya
posted2015/02/28 10:45
新体制発表会に登場したEXILEの白濱亜嵐(左から2人目)と岡田オーナー。白濱は「日本を代表するようなチームに」と夢を語った。
ほぼ補強無し。「メソッド」のみでチームを強化!?
Jリーグにも岡田の理念に興味を持ったクラブがあったというが、早大のサッカー同好会で1年先輩にあたる井本雅之氏(株式会社「ありがとうサービス」社長)がFC今治のアドバイザーを務めていた縁もあって、発展途上のこのクラブを選んだという。まっさらな状態からスタートを切れることも魅力だった。
日本サッカーの型づくりを目指す、岡田メソッドの立ち上げ。
昨季四国リーグ3位に終わったトップチームに、大掛かりな補強はない。個人の能力に頼らないという意思表示でもあり、あくまで現存勢力を中心にしたメンバーを「メソッド」を用いて強くしていきたいというスタンスだ。同様に下部組織の充実も図っていく。
岡田は会見のなかでメソッドの一端にもう少し踏み込んでいる。
「アジアカップのヨルダン戦で岡崎がニアゾーンに走って、シュートを打ったシーンがありました。(GKに)弾かれたところに詰めていた本田が決めたわけですけど、UAE戦でも同じシチュエーションがあった。しかし、今度は(本田が)走っていなかった。ヨルダン戦ではたまたま走っていたから点が取れたのか、それとも(UAE戦では)たまたま走っていなかったのか。みんなで同じ絵を頭に描けるような、プレーモデルをつくって身につけさせていきたい。そのためにこういうトレーニングメソッドをやっていこうと。育成年代で身につけなきゃいけないものもあるので、一貫指導にこだわっていきたい」
充実のスタッフ、そして世界最先端のハイテクも!
岡田はクラブ内に「メソッド事業本部」を立ち上げ、そこに指導者として実績を持つ吉武(メソッド事業本部長)、大木を招き入れた。スペイン人のコーチや日本サッカー協会の技術委員を務めてきた眞藤邦彦も加わっている。
ドイツ代表が取り入れたことでも知られるサッカー分析システム「マッチ・インサイト」を持つドイツのIT企業「SAP」もビジネスパートナーに名を連ね、ソフト、ハードの両面で準備に抜かりはない。
さらに言えば「メソッド」と「事業」がくっついていることに意味がある。
出来上がったメソッドをシステム化して、今治から国内外に“輸出”してビジネスにしていくというプランだ。