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なぜ浦和は同じ負け方を繰り返す?
最古株・鈴木啓太に見えた“壁”。
posted2015/02/27 10:35
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Atsushi Tokumaru/AFLO
2015年AFCチャンピオンズリーグが始まった。2013年シーズン以来の出場となる浦和レッズは2月25日韓国の水原三星とアウェイでその開幕戦を迎えた。前半終了間際に先制点を決めたものの、後半に同点とされてしまう。アウェイという状況を考えれば、引き分けでも問題はなかったが、87分に逆転を許し、勝ち点1すら拾えなかった。
それはまるで、昨季終盤のデジャブのような結果だった。
第32節 ガンバ大阪戦。88分、ロスタイムと失点し0-2で敗れた。
第33節 サガン鳥栖戦。この試合もロスタイムに同点弾を許し、勝ち点を2失った。
第34節 名古屋グランパス戦。89分に逆転ゴールを決められる。
そして、優勝を逃した。
過失を認める、最古参選手の心中とは?
「名古屋戦で味わった辛さというのは、試合をやり、結果を残さなければ和らがない。名古屋戦は、シーズン最終戦だったからね。次に試合がないからねぇ」
昨年末に会った際、鈴木啓太は静かにそう語った。結果という現実を背負い、厳しいシーズンオフを過ごしたに違いない。
その名古屋戦、86分に途中出場した鈴木のパスが相手に渡り、失点につながったのだ。勝たねばいけない状況で、犯してはならないミスを犯してしまった。15年目という最長の在籍年数を誇るベテランにあるまじき自身の過失を彼は責めた。
「試合に出られるという決断をくだしたこと自体が間違いだったのかとも考えたよ。でも、可能性があるのなら、それを諦めたくはないという気持ちだったから。そこで決断したのだから、試合勘がなかったとか、そういうことは言い訳にもできないよ」
11月3日第31節の横浜F・マリノス戦中、鈴木は自身の動悸や脈拍に異常を感じ、前半で交代している。
診断の結果、鈴木には不整脈という症状が告げられた。