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韓国サッカー界はJをどう見ている?
ACLで勝てない日本サッカーの弱点。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAP/AFLO
posted2015/02/17 10:40
2008年にACLで優勝した時のガンバ大阪。昨季はチーム初となる三冠達成となり、今季はアジア制覇の期待もかかる。
日韓戦は、通算38勝22分13敗。
筆者は先のアジアカップ時に、韓国語で韓国最大のポータルサイト「NAVER」に原稿を書いた際にもこの点を強く感じた。「日本は、自分たちが上と思うなよ」という批判を多く受けたのだ。
日本代表がグループリーグを楽に勝ち抜いた点を紹介し、「韓国と決勝をやれたらいいね」といった主張を加えたところ、そういった意見が多くコメント欄に書き込まれた。「歴代の韓日戦の結果を知っているのか」と。
トーナメントのような短期決戦、日本との一発勝負に対しては自分たちが強いという圧倒的な自信がある。フル代表の戦績は韓国の38勝22分13敗だそうだ。ちなみにJリーグ発足後から数えると、2015年2月現在までの韓日の対戦成績は8勝6分9敗だ。
“バイタルエリアでの崩しの緻密さ”が鍵!
では、Jリーグ勢の「対Kリーグ観戦ポイント」はどういったところにあるのか。
JリーグとKリーグの両方でプレー経験のある某選手(攻撃系)がこんな話をしていたことがある。
「バイタルエリアでこちらがいい位置でフリーになっていても、『あら、ボールが入らないな』と思う時がかなりある。Jリーグにいた頃はパスが来ていたのに、と」
“バイタルエリアでの崩しの緻密さ”が韓国と比較するなかでのJリーグ勢の強みなのだ。
'10年の優勝チーム城南一和(現城南FC)の当時の監督、シン・テヨン(現韓国代表コーチ)はこうも言っていた。
「日本にない韓国の強みは、勝負に徹して中盤を捨てられること。日本はいつも中盤からの崩しにこだわり過ぎていると感じる」
だったら日本のストロングポイントで徹底的に勝負するのはどうか、という観点だ。
とはいえ絶対に忘れてはいけない点がある。
肉弾戦への覚悟は必ず持っておくべきことだ。これが大前提。
策にはまりすぎて、敗れるという結果はもうこれ以上避けたい。
一方で韓国勢相手に最初から「力勝負」のみで挑み、勝つチームが出てくればそれはそれで拍手モノだが。いずれにせよKリーグ勢との戦いは「相手にどう勝ちたいか」を考える格好の機会でもある。
毎年、日韓のサッカーシーンを眺めながら、トーナメントが進行する秋以降の寂しさを感じる。
今年は特に、「国内三冠達成以降のガンバ大阪が何を目指すのか」という興味もある。まだ寒い2月のうちからギアを上げておくべきではないか!