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韓国サッカー界はJをどう見ている?
ACLで勝てない日本サッカーの弱点。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAP/AFLO
posted2015/02/17 10:40
2008年にACLで優勝した時のガンバ大阪。昨季はチーム初となる三冠達成となり、今季はアジア制覇の期待もかかる。
パク・チソンが日本へ来た知られざる理由。
例えば'00年にパク・チソンが韓国の明知大から京都サンガに入団した際、大学側の監督は「早く日本に送らないと潰されてしまう」と考えていたという。
当時、パクはまだ体が小さいながらに五輪代表に選ばれていた。韓国の大学サッカーにあっては「年上の選手がパクにジェラシーを感じて削りまくる」「潰されてしまう」と感じていたそうだ。しかし日本なら大丈夫だと。
'10年代に入っても“韓国のほうが激しい”という傾向は変わらない。FCソウルで主に1トップとしてプレーするエスクデロ競飛王(元U-23日本代表)は「Kリーグでは試合後に必ず5~6カ所に痛みを感じる。激しく削られるから。浦和でプレーしたJリーグ時代にはなかったこと」と口にしている。
もはやJには超トップクラスの外国人がいない。
「昔はJリーグのチームにはかなりすごいブラジル人ストライカーがいて、かなり苦しめられた記憶がある」
'11年の準優勝チーム全北現代のチェ・ガンヒ監督から、こんな話を聞いたことがある。
確かに'07年、浦和の優勝時にはワシントン、ポンテがいた。'08年のガンバ大阪は主力のブラジル人は全盛期のルーカスのみだったものの、シーズン途中まで後に中東クラブに引き抜かれるバレーがいた。またガンバでは優勝した翌年の大会でレアンドロが大会得点王を獲得している。「Jリーグ勢は外国人のインパクトがあったからこそ優勝した」。そういった韓国側の見方が定着しつつある。優秀な外国人がいない以上、Jリーグチームのスキルフルなプレーは、自国のパワーとスピードでねじ伏せられると。
韓国は「トーナメントに強い」と確信している。
同じく、現在も全北の監督を務めるチェ・ガンヒの言葉だ。
「韓国人は一発勝負に強いという自信がある。例えば長期のリーグ戦となるとJリーグ勢に後塵を拝することがあるかもしれないが、目の前の勝負には集中して勝てると考えている」
大会が4チームのグループリーグの後、トーナメントで行われるという点を言ってのことだ。
この自信は、代表チームの戦績からも来るものだろう。近年、国際大会での成績は日本に追いつかれ、時に上回られる時もある。しかし「韓日戦」で直接対決すれば、自分たちが勝てるという自信があるようだ。