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韓国サッカー界はJをどう見ている?
ACLで勝てない日本サッカーの弱点。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAP/AFLO
posted2015/02/17 10:40
2008年にACLで優勝した時のガンバ大阪。昨季はチーム初となる三冠達成となり、今季はアジア制覇の期待もかかる。
ACL決勝にJリーグのチームが進出できない。
もちろん警戒はしているが、強く意識されているわけでもない。
これは偽らざるところだ。近年のACLでの成績が最大の根拠だろう。'07年、'08年に浦和レッズ、ガンバ大阪が連覇したのも今は昔。その後Kリーグ勢が6年で5回決勝進出、うち3度優勝しているのに対し、日本勢は'09年名古屋グランパス、'13年の柏のベスト4が最高成績。昨年は決勝トーナメント1回戦で川崎フロンターレがFCソウルに屈した。結局は5月17日のホームゲームでの敗戦が痛手となったのだが、相手チームのDFラインの中心選手がこんな話をしていた。
「我慢していれば相手が攻め疲れするだろうと予測していた。だから後半に勝負を仕掛けようと」
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少し力を見透かされているか、という印象すらあった。
韓国側のこういった見方には、いくつかの背景がある。
「守備を激しくしてこない」と思われている。
「そもそも論」から言うと、韓国サッカー関係者には「クラブレベルでは自分たちのほうが上」という意識がある。フル代表の実力は近年均衡してきた。プロリーグの運営力はJリーグの方が先んじていることを認める。
しかしクラブ同士のピッチ上での戦いは韓国の方が上だと。
'05年の6月にアン・ジョンファンが横浜F・マリノスを去った。それ以降、韓国代表のトップスターがJリーグに渡る事例がめっきり減った。反面、若手や年俸の低い選手の移籍が増加した。
日韓の選手代理人の間ではこんなやりとりが増えたという。
「この選手は日本スタイルだからどうです?」
韓国側からのテクニシャンタイプの売り込みだ。
日本側の返答は決まってこうだったという。
「いえいえ日本のスタイルなら、すでに日本にいますから」
これは、「日本は守備が激しくないだろうから、韓国では成功が難しいテクニシャンでも行けるんじゃないか」と思われている証拠なのだ。