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ド文系だけど、箱根駅伝マニア!?
吉木りさが憧れの山梨学院大を直撃。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph bySports Graphic Number
posted2014/12/26 10:40
吉木りさを囲んで満面の笑みの主将の井上君(左)、阿部君(右)、田代君(前)。箱根を驚かせることができるか。
私と同郷の田代一馬選手は、ムードメーカー?
次に話を聞いたのは次世代エースの3年生、田代一馬選手。
私と同郷の千葉県船橋出身ということで、こっそりチェックしていた選手です。抜群のスピードがある一方で、レースでは最初から突っ込んで失敗するなんてことも……。今年はここまで故障もあってなかなか実力を出し切れていませんが、調子は上向きとのこと。
――本戦にむけての意気込みは?
「やっぱり前回の箱根(1区16位)は悔しさが残ります。走りだした瞬間『これ、5000m?』ってほどペースが速くて、8kmの八ツ山橋で離されてしまった。でも、ハイペースなのは分かっていたことなので、そこで対応できなかったのは残念ですね。
今の山学大には井上(大仁)さんやエノックみたいに、去年の大迫(傑・早大)さんに匹敵する選手がいます。今年は練習からそういう選手相手にいかに粘れるか、そこを考えてやってきました。アキレス腱の故障で全日本は走れなかったですけど、今は調子は戻ってきていますし、前回とは違う自分を見せる自信はあります」
――今回はリベンジの舞台なんですね! 明るい感じの田代選手、チームではムードメーカー的な存在でしょうか?
「うーん……元気な方だとは思います(笑)。でも、今年みたいにずっと故障を繰り返していると、精神的に苦しくなることもありました。でも、前回の悔しさを忘れずに苦しい中で粘るようにやってきたつもりです。
今年は3年生になって、自分だけでなくチームのことも考えないといけない立場です。少しでも声を出してチームを盛り上げられれば、4年生にも安心してもらえるだろうし、下級生にも『来年からも大丈夫』と思ってもらえるんじゃないかと頑張っています」
――なるほど。チームのこれからも考えていかないといけない立場ですね。前回の結果を、田代選手はどうとらえたのでしょうか?
「率直に悔しかった。監督からは『ビビるなよ!』と言われて送り出されて、走る前はレースを楽しみにして走ることはできましたが、自分がもっと前で渡せていれば、エノックももっと余裕をもって走れたでしょうから……。
去年までは『エノックって速いな、すごいな』という気持ちだけだったんですけど、あの途中棄権からは、そういうのではなくなって。同級生として、自分も強くなってエノックを支えられるようになろうと。練習からエノックの背中を追って、最後は前に出たいと思うようになりました」
――'14年はとにかく『勝負にこだわる』年だとか。
「そうですね。今までとは違うピリピリ感もありますし、ふざけた走りはできないな、と。主将も自分で結果を出して『優勝するぞ』と言ってくれていますし、もし走れるなら、もう一度1区で勝負したいです。自分、甘いものがすごい好きなんです。でも、やっぱり勝つことを考えると我慢もできる。前回のブレーキを払拭する走りをして、思いきりチョコレートが食べたいですね(笑)」