フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ゴールドが骨折欠場のGPファイナル。
注目は本郷理華と次世代ジュニア達!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2014/12/10 10:50
ロシア杯での表彰式にて。左からアンナ・ポゴリラヤ(16歳)、本郷理華(18歳)、アレイン・チャートランド(18歳)。
ゴールドの左足疲労骨折で対決は先延ばしに。
だがゴールドの左足の疲労骨折により、彼女たちが顔を合わせるのはまだしばらく先のことになった。
ゴールドはNHK杯前から少し足に痛みを感じていたが、大会後に米国でMRIとCTスキャンを撮った結果、ファイナルに出場すると疲労骨折を悪化させる結果になると医師にアドバイスを受けたという。
「もちろん、ファイナルに行けなくなったことはすごく残念です。でも目先のことではなく、大きな視点でものを見なくてはならないと思いました。今はとにかく早くこの負傷を治して、全米選手権に向けての準備をしなくてはと思っています」
初のGPファイナルにいざ行けないということになってみると、やはり残念な気持ちになったのだろう。米国フィギュアスケート連盟を通して、ゴールドはこのようにコメントした。
ロステレコム杯優勝の本郷理華が代替出場。
ゴールドの代わりにバルセロナに向かうのは、18歳の本郷理華である。スケートカナダでは5位だった彼女が、ロステレコム杯では地元の盛大な応援を受けていたアンナ・ポゴリラヤをみごとやぶって優勝。シニアGPデビューの年に、早くもタイトルを手に入れた。
NHK杯が終了した後、日本女子が14年ぶりにファイナル進出を逃したことが大きく報道されたが、結局今年も一枠は確保することができた。それも補欠に本郷、そして宮原知子、村上佳菜子の日本女子3人が控えていたからである。たとえ新聞のヘッドラインになるようなスター選手がいなくても、着実に戦ってそれなりの成績を出してきている彼女たちのことを温かい目で見守って欲しいと思う。
次世代を担う日本人ジュニア3選手にも注目。
ロシアやアメリカのようなスケート大国でも、常に選手が毎大会で表彰台に上がってきたわけではない。時には数年にもわたる低迷期を乗り越えて、再び世界のトップにのし上がってきている。どの国にもある程度の波があるのは、このスポーツでは当たり前のことなのだ。
ジュニアGPファイナルには、樋口新葉(ひぐちわかば)、永井優香(ながいゆうか)、中塩美悠(なかしおみゆ)の3人が出場する。バルセロナでこのジュニアたちがロシアの3人を相手にどのように戦うのか。そして初進出の本郷がやはりロシアの強豪たちを相手に、どのような戦いぶりを見せてくれるのか。目の離せない大会になりそうだ。