フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ゴールドが骨折欠場のGPファイナル。
注目は本郷理華と次世代ジュニア達!
posted2014/12/10 10:50
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
AFLO
11月末に大阪で開催されたNHK杯でGPシリーズの6大会は終了し、いよいよ今週末にはバルセロナでGPファイナルが開催される。
だがNHK杯で優勝したグレイシー・ゴールドが、左足の疲労骨折のためGPファイナルを欠場することが、12月4日に発表された。
19歳のゴールドは、ジュニアの頃から大きな注目を集めてきた選手でソチ五輪の個人戦では4位と表彰台に迫った。だがGP大会での優勝は、今回のNHK杯が初めてだった。
「ジュニアではGP大会で優勝して世界ジュニア2位になり、派手にシニアシーンに乗り込んできたつもりだった。でも実際にシニアで戦うことはそれほど甘いものではありませんでした」
そう本人が語っているように、ゴールドがシニアGPデビューしてから優勝までに3シーズンの年月を要した。
ゴールドがファイナル出場に躊躇した理由。
大阪での優勝によりファイナル進出を射止めたゴールドだが、会見では有頂天な様子は見せなかった。
「ファイナルに出られることはもちろん嬉しいです。でも同時に複雑な気持ちもある。私の今シーズンの目標は全米タイトルを守ることと、世界選手権に出て表彰台に上がること。ファイナルに出場することは、練習時間を失うことでもあるので」
ゴールドがためらう様子を見せた理由の1つは、ファイナルに出揃った顔ぶれのためもあるだろう。GPファイナルには4人のロシアの若手たちが出てくる。エレナ・ラジオノワ、エリザベータ・トゥクタミシェワ、ユリア・リプニツカヤ、アンナ・ポゴリラヤらはいずれもまだ15歳から17歳のティーンエイジャー。どの選手も跳び盛りの年齢で、シニアGPデビューした年、あるいは翌シーズンにはGPタイトルを手にした才能溢れる新星たちだ。
「ロシアの女子4人と私とアシュリーで、すごくハードな試合になると思う」
そう言ったゴールドにとって、全米選手権前にアシュリー・ワグナーと国際ジャッジの前で競い合うというのも、できれば避けたいことであったに違いない。