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破産寸前からの劇的な復活。
バレンシアは第2のアトレティコか。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byManuel Queimadelos Alonso/Getty Images

posted2014/10/07 10:40

破産寸前からの劇的な復活。バレンシアは第2のアトレティコか。<Number Web> photograph by Manuel Queimadelos Alonso/Getty Images

チームを再建中のヌーノ監督(写真中央)。強面とあごひげ、筋肉質な体躯が特徴の指揮官には、今後も要注目だ。

シメオネのアトレティコ復帰と重なるルフェテの存在。

 闘志溢れるプレーでファンの絶大な人気を誇ったこと、2度のリーグ優勝などクラブの黄金期を選手として経験していることなど、ルフェテのクラブ復帰は役職の違いこそあれ、アトレティコの歴史を変えたディエゴ・シメオネの監督就任と共通するところがある。

「ここにいるべきは、バレンシアでプレーすることを望む選手だけだ」

 就任後すぐ選手全員にハードワークの意識を徹底して植え付け、負け犬根性が染み付いていたアトレティコを戦う集団へと変えていったシメオネと同様に、ルフェテが就任間もなく選手たちに求めたのは「バレンシアのために戦うこと」というごくシンプルなものだった。

 その言葉通り、チームのために100%献身していると言いがたかった選手を1月の移籍期間のうちに多数放出し、選手たちの信頼を失っていたミロスラフ・ジュキッチ監督も解任。その後招聘したフアン・アントニオ・ピッツィは結果、内容共に期待していた成果を挙げることはできなかったものの、今や不可欠な存在となったパコ・アルカセルやダニ・パレホがレギュラーに定着し、その才能を発揮しはじめたのはこの時期だった。

当初は“コネ”かと思われたヌーノ監督だが……。

 そして今季、彼ら既存の主力メンバーにロドリゴ・モレーノ、アンドレ・ゴメス、ニコラス・オタメンディら多数の新戦力が加わったチームを見事にまとめ上げているのが、新監督のヌーノである。

 選手としてスペインでプレーした経験はあってもバレンシアに縁はなく、監督としての経験はポルトガルの小クラブ、リオ・アベを2シーズン率いただけ。しかも彼の代理人がリムのクラブ買収にも一役買った大物代理人ジョルジュ・メンデスであるため、当初彼の抜擢は“コネ採用”の印象が強かった。

 しかし、1部と2部を行き来するエレベータークラブのリオ・アベを2つのカップ戦決勝に導いた実績は伊達ではなかった。

【次ページ】 明らかな負け試合を覆す采配とシステム変更。

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