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松山英樹、石川遼の相手は錦織圭?
ゴルフ番組の契約数が伸び悩む理由。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2014/10/04 10:40

松山英樹、石川遼の相手は錦織圭?ゴルフ番組の契約数が伸び悩む理由。<Number Web> photograph by AFLO

ツアー最終戦まで生き残り、トッププロとしてシーズンを戦い抜いた松山英樹。偉業と呼ぶに相応しい成績を、さらに越えていくことができるのだろうか。

年間契約者が横ばいの裏には、競合相手の存在が?

 ところが一方で、年間の契約者数はほぼ横ばいというデータがある。

 昨今のテレビ離れはCS業界も同様で、有料放送はよりシビアな状況に瀕している。「時間と可処分所得に恵まれた層、ゴルフを見る層と有料放送の視聴者はリンクしやすい」という見方もあるが、彼らの増加が全体のテレビ離れに歯止めをかけるほどではない。

 米国でのプレー時間は日本時間未明に当たることが多く、視聴者層を選ぶという事情はもちろんある。ただ、日本でゴルフ中継視聴率の屋台骨だった2人が、国内で持っていた数字を海の向こうでも十二分に表現できているかというと、そうではないのが現状だ。

 エクスキューズがあるとすれば、今年はここまで、なにせ“競合相手”が多かった。ソチ五輪に始まり、メジャーリーグの話題を田中将大が牽引し、サッカーW杯があった。話題盛りだくさんの夏場を経て、テニスの全米オープンは日本のゴルフにとってはダメ押しといったところ。

好成績を残せば、注目度はいやがおうにもあがる。

 そしてゴルフの視聴率が芳しくないのは、世界的な潮流でもある。最大の原因はタイガー・ウッズの不在で、米CBSが中継したマスターズ最終日の視聴率7.8%はここ10年で最低の数字だった。ドイツのマルティン・カイマーが優勝した全米オープンは、3.3%という惨憺たるもの。国内の民放局で見られる露骨なタレント偏重の中継ではないにせよ、海外であっても「スター依存」というシンプルな括りでいえば大差はない。

 様々な外的要因から、松山も石川も、今は逆風の中を突き進んでいる。

 キャラクターが確立されつつある2人が風向きを変えるには、さらなる好成績が求められる。これまでも2人のテレビ業界における貢献は確かにあった。4大メジャーの中で注目度が最も低い8月の全米プロゴルフ選手権は、2006年を最後に、日本では一時地上波の中継が無い期間があった。これが2009年にTBSで復活したのは、もちろん同大会に初出場した石川の効果である。

 それでもしばらくは試合終了まで放送されることはなかったのだが、松山が予選を突破した今年は、最終組のホールアウトまで生中継を実施。ロリー・マキロイの強さを日本のファンがリアルタイムで目撃できたのは、松山効果によるところが大きかったのだ。

【次ページ】 「“錦織級”の活躍ではダメだと思う」

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