ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
「ノージャケットに罰金10万円」
男子ツアーに前代未聞の罰則規定!
posted2014/09/17 10:30
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Getty Images
ゴルフの神様がいたら、どう言うのだろうか。
秋めく季節、日本の男子ツアーはようやくハーフターン。“歯抜け”の状態が続いた夏場までの試合スケジュールが終わり、年末に向け慌ただしく埋まるゴルフシーズンの到来だ。高額賞金のかかったビッグトーナメントが並び、賞金王争いもようやく本格化。そんな後半戦を迎える陰で、男子ツアーで「あるルール」が厳罰化された。
それは選手の服装に関する規則で、会場入場時の「ジャケット着用を」義務化したものである。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)監修のトーナメント規程には、第36条(2)「服装、身だしなみ等に関する準則」というものがある。ツアープレーヤーとしてのエチケットを重んじるもので、ここに「トーナメント会場に最初に入る日と大会最終日のゴルフ場の行き帰りについては、必ず、ジャケット又はスーツを着用すること」という条項が加わったのが、今季開幕前のこと。
しかし数カ月経っても徹底が見られないとのことから、9月のフジサンケイクラシックから、違反者には罰金10万円という重いペナルティを課すことになった。
クラブハウス前にスタッフが張り付き、監視の目を光らせる姿は、校則違反の取り締まりさながら。チェックがあるのは大会開幕前と最終日で、暑さの強い日は手に持って入場すればいいとか。
海外では見られない、日本独自の規則。
選手会の要望をJGTOサイドが受け入れ、明文化したというこの“ドレスコード・ルール”。これがどうも、海外ではなかなか類を見ない、日本独自の規則なのである。
米ツアーのトーナメント会場で駐車場からクラブハウスに入る選手たちを眺めてみると、スーツやジャケットを着用する選手は皆無と言っていい。
エリート選手が集結するプレーオフ最終戦、ツアーチャンピオンシップが行なわれたアトランタのイーストレイクGCでもそうだった。