ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
松山英樹、石川遼の相手は錦織圭?
ゴルフ番組の契約数が伸び悩む理由。
posted2014/10/04 10:40
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
錦織圭のセンセーショナルな活躍は、スポーツのパワーを実感する出来事だった。
破竹の勢いで勝ち上がったテニス全米オープンを連日独占中継していた有料BS放送のWOWOWには、大会期間中に加入申し込みが殺到。事態はそれにとどまらず、最終的には録画放送とはいえ、NHKも引っ張り出すフィーバーとなった。
今年度末、WOWOWの加入者は過去最高値を記録する可能性があるという。日本人、アジア勢史上初の4大大会シングルス準優勝という快挙が、テニス熱を一気に沸点近くまで上げてみせた証だった。
世界のど真ん中で活躍する日本人の姿。それに注がれるお茶の間の視線は年々、テニスに限らずあらゆるスポーツにおいて熱を帯びている。
松山の活躍で瞬間的な盛り上がりは見せたが……。
ではゴルフはどうだろう。
9月に終了した米国男子ツアーの2013-2014年シーズンは、多くの日本のファンにとってはここ数年でもっとも盛り上がったシーズンと言っていいだろう。
前のシーズンに苦しみながらシード権を確保した石川遼が、キャリア最多の24試合に出場。6月には松山英樹が、本格参戦1年目にして初勝利を飾った。テニス4大大会には及ばないが、日本人史上4人目の米ツアー制覇を成し遂げたメモリアルトーナメントは、強豪が集った準メジャーといえるフィールドだった。
PGAツアーのマスターズをのぞく全試合を放送する国内唯一のゴルフ専門チャンネル、ゴルフネットワーク(CS放送)によれば、松山が優勝した当日夜の録画放送はメジャートーナメント並みの視聴数があったという。直後の加入者は平均的な1日の加入者数に対して、およそ7倍の数に膨らんだ。
年間を通じて松山と石川の2人がそろって出場した試合は、平均で3割増しの視聴者数を記録。週末に生中継するNHKのBS放送でも同じ効果は発生している。