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超高校級が不調でも豊作の大会に!
甲子園で輝いた有望株50人総まとめ。  

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/08/29 11:10

超高校級が不調でも豊作の大会に!甲子園で輝いた有望株50人総まとめ。 <Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園に衝撃を与えた健大高崎の4番・脇本直人。豪快なスイングと走れる足を兼ね備える稀有な選手だ。

内野手は上位校の中に目立った選手が多かった。

 内野手ではポジション別に次の選手たちに注目した。

◇一塁手
西岡武蔵(三重3年)、正随優弥(大阪桐蔭3年)、岡本和真(智弁学園3年)

◇二塁手
深江大晟(八戸学院光星3年)、遠藤真(盛岡大付2年)、佐田泰輝(三重3年)、峯本匠(大阪桐蔭3年)

◇三塁手
柳沼健太郎(聖光学院3年)、香月一也(大阪桐蔭3年)、安里健(沖縄尚学3年)

◇遊撃手
浅井洸耶(敦賀気比3年)、宇都宮東真(三重3年)、福田光輝(大阪桐蔭2年)、古沢勝吾(九州国際大付3年)

 こうして見ると、内野手は勝ち抜いたチームに目立った選手が多く、投手は早いうちに敗退したチームの中に多かったのがわかる。何試合も勝ち抜いた投手は戦いを経るごとに疲弊するためよさが見えづらく、勝ち抜いた野手は戦いを経るごとに経験値が増してよく見える、ということだろうか。

 実際、内野手は最初のほうではよさが見えなかったのが、試合を見るうちにどんどんよく見えるようになったという選手が何人もいる。一塁手の西岡、二塁手の佐田、三塁手の柳沼、遊撃手の宇都宮などはその典型である。

健大高崎の脇本直人は糸井嘉男を彷彿とさせる逸材。

 外野手は今大会を代表する好打者が多く揃った。まず、注目した選手を紹介しよう。

◇外野手
朝山広憲(作新学院2年)、脇本直人、平山敦規(ともに健大高崎3年)、鈴木将平(東海大望洋3年)、星兼太(日本文理2年)、峯健太郎(敦賀気比3年)、長野勇斗(三重3年)、中村誠、森晋之介(ともに大阪桐蔭3年)、赤嶺謙、西平大樹(ともに沖縄尚学3年)

 今大会を代表する好打者とは、朝山、脇本、長野のことで、脇本はチームカラーの“機動破壊”を率先して行なう俊足でありながら長打力も備えるという糸井嘉男(オリックス)を彷彿とさせるオールラウンドプレーヤーである。

 優勝校の大阪桐蔭からは内・外野手で6人の選出となった。ラジオを聞きながら仕事をしていた人は、大阪桐蔭各打者の打球音が相手のそれとまったく違うと言っていた。その話を聞いてから注意深く耳を傾けていると、確かに音が違う。そして躊躇のないフルスイングが明らかに相手校とは異なっているのがわかった。

【次ページ】 各ポジションのナンバーワンを選ぶとすると……?

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